1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福間 真理子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60101995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60230463)
梅澤 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70213486)
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
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Keywords | EC細胞 / モノクロナール抗体 / 糖蛋白質 |
Research Abstract |
胎児性癌細胞(EC細胞)が分化または増殖する際細胞分子が重要な機能を担っている想定のもとに我々は樹立EC細胞株(NCR-G3細胞)を免疫原として性格の異なる種々の抗体を確立した。本研究では確立したモノクロナール抗体の認識する抗原を明らかにし、胚細胞腫瘍亜群の病態診断、治療法の新しい手段を開発することを目的とする。 確立されたモノクロナール抗体うち6E2抗体および4C4抗体は胚細胞腫瘍の中でも胎児性癌に特異的に反応しする事が見いだされた。生化学的検討を加えた結果、6E2抗体の認識する抗原は、過塩素酸処理及びneuraminidase処理で抗原性を失うことによりその認識部位はシアル酸を持つ糖鎖であることが分かった。又6E2抗原はエタノール:クロロホルム混液に溶出されてきたことにより6E2抗原は非還元末端にシアル酸を持つ糖脂質であることが示唆された。4C4抗体の認識する抗原は、蛋白分解酵素および過塩素酸処理で抗原性を失うことにより抗体の認識部位は糖蛋白質の糖鎖部分であることが分かった。しかしneuraminidase処理では抗原性は失われなかったためその糖鎖の非還元末端にはシアル酸は含まれていないと思われる。G3細胞をTriton X-100を含むlysis bufferで溶解し、粗抽出液を陰イオン交換カラムに通すと抗原性はとんど吸着しなかった。次に、陰イオン交換カラム通過画分を陽イオン交換かラムに通し、吸着画分をNaClの段階濃度で溶出したところ4C4抗原は、0.2Mと1.0M NaClとの間に溶出された。4C4抗原は通常のSDS-polyacrylamide gel電気泳動では200kDa以上の高分子の画分に検出された。即ち4C4抗原はシアル酸のない糖鎖を持つ塩基性高分子蛋白質であることが示唆された。現在更に糖鎖エピトープの詳細な分析を進めている。
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