1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療技術による単純ヘルペスウイルス感染に対する経口ワクチンの開発
Project/Area Number |
09670238
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
入江 宏 帝京大学, 医学部, 助教授 (50160073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 正顕 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / 経口ワクチン / 遺伝子治療 / エピトープ |
Research Abstract |
マウスに単純ヘルペスウイルス(HSV-1)を経口投与すると、HSV-1に対する体液性および細胞性の免疫が成立し、致死的感染に対して感染防御能を獲得する。経口ワクチン作成のための有効エピトープ同定の目的で、経口投与されたマウスと腹腔に致死量以下で感染させたマウスの血中抗体をSDSおよびwestern blotで調べた。経口投与後に出現する抗体の認識部位は130Kと64Kのサイズのbandsであり、このbandsを切り出しマウスを免疫し血中の抗体の出現を確認後HSV-1を致死的に感染させた。未処置マウスは全例死亡したが、130Kのbandと64Kのbandで免疫したマウスでは約50%と40%のマウスが生存した。64Kのbandはハイブリドーマと感染細胞のmRNAのニトロセルロース膜上での反応でglycoprotein D(gD)であることが判明した(130Kのbandはglyocoprotein Bの可能性がある)。 今年度はgDおよびgBを発現するワクシニアの作製をテネシー大学免疫学教室Rouse教授に依頼して作製した。遺伝子組み換えによるgDおよびglyocoprotein B(gB)発現ワクシニアウイルスワクシニアの経口投与および対称としてtail scratchによるimmunization後、gBおよびDに対する抗体の出現を確認してHSV-1を致死的に感染させた。その結果gBは20%、gDは30%、さらにgBとDの組み合わせでは40%とtail scratch(gBで30%、gD 30%、gBとDで50%)と比較してほぼ同等な感染防御力が見られた。gDの中ではHSVTagなどのいくつかの有効なエピトープがあり、経口投与での抗原のエピトープとなる可能性がある。しかしながら、生のヘルペスウイルスの経口投与では致死的感染で100%の防御力を示すことから、抗体系でない細胞性免疫の関与があることが示唆された。今後は細胞性の免疫を中心に免疫原を検索したいと考える。 本研究の一部(中外製薬との協同研究)は今年度、HSV経口ワクチン及びその製造方法に関する発明で特許を得た(平成11年11月26日)。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 入江 宏: "単純ヘルペスウイルス経口ワクチン開発にむけて"医学のあゆみ. 179.2. 138-139 (1999)
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[Publications] 入江 宏: "遺伝子治療技術による単純ヘルペスウイルス経口ワクチン開発にむけて"帝京医学雑誌. 20.4. 347-356 (1997)
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[Publications] Irie,H.et al.: "Herpes simplex virus hepatitis in macrophage-depleted mice:the role of massive,apoptotic cell death in pathogenesis"Journal of General Virology. 79. 1225-1231 (1998)
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[Publications] Irie,H.et al.: "Engineering of a novel oral herpesvirus vaccine using gene therapy"Bioscience and Microflora. 17.1. 30-40 (1998)
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[Publications] Koyama,A.H.Irie,H.et al.: "Role of virus-induced apoptosis in a host defense mechanism against virus infection"Journal of Medical Virology. 45. 37-45 (1998)
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[Publications] 入江 宏 他: "ヘルペスウイルス劇症肝炎:基礎病因と広汎なアポトーシスについて"病理と臨床. 17. 312 (1999)
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[Publications] Irie,H.: "Colon diseases in recent years in Japan:from the viewpoint of a pathologist"Bioscience Microflora. 18.2. 81-92 (1999)
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[Publications] 入江 宏 他: "単純ヘルペスウイルス感染とアポトーシス-その生物学的な意味について-"日本臨牀. 58(印刷中). (2000)