1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670246
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Research Institution | Tokyo Metropolitan institute of Medical Science |
Principal Investigator |
田中 貴代子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (40124474)
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Keywords | 大腸癌 / 癌抑制遺伝子 / cDNAライブラリー / 1番染色体移入細胞 / リバータント細胞 / スクリーニング / ホモロジー検索 / ノーザンブロット / cDNA-RDA |
Research Abstract |
最近、効率よく2種類のゲノムの違いを比較する方法として、PCRと制限酵素を組み合わせたサブトラクション法であるRDA(Representational difference analysis)法が開発された。そこで、今年度はcDNA-RDA法を用いて、1番染色体上の癌抑制遺伝子を単離することを試みた。正常1番染色体短腕34-36領域の移入により癌形質の抑制された大腸癌細胞と、36領域一部が脱落し癌形質が再発現されたリバータント細胞のcDNAをSau3Alで切断後、アダプターをつけPCRで増幅して両者の間でサブトラクションを行い、cDNAライブラリーを作製した。移入細胞でのみ強く発現しているクローンを選別するために、1番染色体移入細胞とリバータント細胞のpoly(A)RNAからcDNAプローブを作製し、cDNAライブラリーをスクリーニングした。さらにノーザンブロット分析により移入細胞でのみ発現していることを確認したクローンのインサートのシークエンスを行いホモロジー検索をしたところ、既知遺伝子との類似性は見い出されなかった。そこで、得られたクローンのインサートをプローブとして組織間での発現を調べた結果、小腸、大腸をはじめ心臓、胎盤、卵巣、精巣などでも強く発現しており、また、ニワトリ、ラット、マウス、サル、ウサギ、牛、犬などでも発現していたことから、この遺伝子は種を越えて保存されていることが分かった。
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