1997 Fiscal Year Annual Research Report
マンソン裂頭条虫の擬充尾虫が産生する生理活性物質についての研究
Project/Area Number |
09670258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
平井 和光 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷畑 健生 鳥取大学, 医学部, 助手 (00283979)
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60111126)
佐藤 建三 鳥取大学, 医学部, 教授 (40113196)
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Keywords | 条虫 / マンソン裂頭条虫 / 生理活性物質 / 成長ホルモン / プロテアーゼ / トリプシン・インヒビター |
Research Abstract |
1.マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン様因子として精製された27kDa蛋白のcDNAを作成するために以下の実験を行った。 擬充尾虫からPharmacia mRNA Isolation Kitを用いてmRNAを抽出し、VectorとしてpSPOT、宿主細胞としてE.coliのXL-1 Blue株を用いてcDNA Libraryを作成した。27kDa蛋白は、カテプシン-Lと高い相同性を持つことから、この蛋白の既知のアミノ酸配列とカテプシン-Lの活性中心のアミノ酸配列をプライマーとしたPCRにより作成したプローブを使用して、cDNA Libraryから27kDa蛋白cDNAをクローニングした。このcDNAクローンは、1085bpであり、プライマーに使用されたアミノ酸配列を完全にコードしており、停止コドンは有していたが、開始コドンは見出せなかった。このcDNAをプラスミドpGEX-5X-1に挿入し、XL-1 Blueにて融合蛋白の発現を試みている。一方、27kDa蛋白のgenonicDNAをクローニングするためにgenomicDNA Libraryを作成中である。 2.本擬充尾虫は、ほ乳類の中間宿主及び終宿主消化管内で宿主消化液で消化されず、自らが体部を離断して腸管を穿通し、また成虫へと発育する。この消化酵素抵抗性の機序を明らかにするために次の実験を行った。 擬充尾虫をTriton X-100を含む抽出緩衝液で抽出し、ブタ・Trypsin,Pepsin活性を抑制する物質の存在の有無を観察した。カゼイン及びヘモグロビンを基質としてそれぞれの活性を測定する系に虫体抽出液を添加するとTrypsin及びPepsin活性が抑制された。そこで抽出液を各種のクロマトグラフィを用いて精製したところ、Trypsin Inhibitory Activityは27kDa蛋白であることが判明した。
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[Publications] Haoran Wang: "Excretory/Secretory Products of Plerocercoids of Spiroxtra erinaceiearopaei Induce the Expression of Inducible Nitric Oxide Synthase mRNA in Murine Hepatocytes" International Journal for Parasitology. 27(4). 367-375 (1997)
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[Publications] Soji Fukumoto: "Exoretary/Secretory products from plerocercoids of Spirometra erinacei reducei NOS and chemokine mRNA levels in peritoneal macrophages stimulated with cytokines ant/or LPS" Parasite Immunology. 19. 325-332 (1997)