1997 Fiscal Year Annual Research Report
リゾフォスフォリパーゼによるコレラ毒素産生制御とToxRとの関連性
Project/Area Number |
09670280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 耕一郎 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30158274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90221746)
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (60029808)
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Keywords | フォスフォリパーゼ / コレラ菌 / 毒素 / 遺伝子 / 染色体 / lypA / ctxAB / toxR |
Research Abstract |
lypAおよびtoxR領域の染色体上の関連性 染色体上で両遺伝子が近傍にあるか否かを調べる目的で、コレラ菌N86株の全DNAを制限酵素NotIで切断しパルスフィールド電気泳動法をもちい両遺伝子プローブを使い、サザンハイブリダイゼーションを行ったところ、両遺伝子プローブに反応するバンドが見出された。このことから両遺伝子は染色体近傍に存在する事が示唆された。 LypAのコレラ毒素産生機構の解明 LypAがctxABの発現を制御しているのかを解明する目的で、すでにクローン化したlypA遺伝子の上流と下流の領域を含み、構造遺伝子を含まない変異遺伝子を作成し、これをヒ-サイドベクターpCVD402にクローン化した(pKY434)。これをコレラ菌N86株に導入し、染色体上のlypA領域にこの変異遺伝子プラスミドが組換によって落ちたものを分離した。さらに抗生物質のプレッシ-を除き、さらにス-サイドベクターpCVD402がショ糖存在下では生育できない性質を利用して、二番目の組換によって、lypAを完全に除いたlypAノックアウトコレラ菌(N86ΔlypA)を作成した。得られた変異コレラ菌では、いずれもコレラ毒素の産生性は著しく低下した。しかし、溶血性に対してはまったく影響しなかった。以上の結果から、lypA遺伝子がコレラ毒素産生性に関与している事が証明され、病原性に深く関与していることが示唆された。現在さらに、この変異株でのコレラ毒素遺伝子ctxABおよび、ctxABの発現調節遺伝子であるtoxRへの発現への影響をノーザン・ブロッティングを用いて研究中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Akeda,Y.et al.: "Invasive phenotype of Vibrio parahaemolyticus." J.Infect.Dis.176. 822-824 (1997)
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[Publications] Hiratsu,K.et al.: "Molecular cloning and functional analysis of and rpoS homologue gene from Vibrio cholerae N86." Genes Genet.Syst.72. 115-118 (1997)
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[Publications] Makino,K.et al.: "Complete nucleotide sequences of 93-kb and 3.3-kb plasmids of an enterohemorrhagic Escherichia coli O157 : H7 drived from Sakai outbreak." DNA research. 5. 1-12 (1998)
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[Publications] Nagamune,K., et al.: "Intramolecular chaperon activity of the pro-region of Vibrio cholerae El Tor cytolysin" J.Biol.Chem.272. 1338-1343 (1996)
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[Publications] Yamamoto,K.: "Heagglutinin/protease. In Handbook of Proteolytic Enzymes" Academic Press,New York and London (in press),