1997 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌の薬剤排出ポンプを構成する内膜タンパク質MexAのトポロジーと機能
Project/Area Number |
09670298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
米山 裕 東海大学, 医学部, 講師 (10220774)
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Keywords | 緑膿菌 / 他剤耐性 / 排出ポンプ / 内膜タンパク質 / 外膜タンパク質 / 抗生物質 |
Research Abstract |
緑膿菌の各種薬剤に対する自然耐性並びに獲得耐性の主要なメカニズムの一つとして、本菌染色体上のmexオペロン(mexA-mexB-oprM)にコードされている薬剤排出ポンプ(Mexポンプ)が重要な働きをしていることが最近明らかになってきた。Mexポンプは内膜タンパク質であるMexAとMexBが外膜タンパク質であるOprMと複合体を作ることによって排出ポンプとして機能していると考えられている。 本研究においては、ポンプ本体と考えられているMexBと外膜チャネルタンパク質と考えられているOprMとを連結していると思われているMexAに焦点を当て、そのトポロジー解析を遺伝子融合法を用いて行った。レポーター遺伝子としてはシグナル配列のないβ-ラクタマーゼ遺伝子を用いた。エキソヌクレアーゼIIIでmexA遺伝子の3'側をランダムに欠失させた後、β-ラクタマーゼ遺伝子をmexAの下流に挿入しin-frameの融合遺伝子をシークエンシングによって選択した。その結果、78種類の融合クローンを得た。これらのクローンの隣り合う融合部位はすべて20アミノ酸以下であった。次にこれらの融合遺伝子を持つ形質転換大腸菌のアンピシリンに対する感受性を調べたところすべての形質転換体はアンピシリンに耐性であった。これらの結果より、MexAはシグナル配列以降(23番のグリシン以降)の領域はすべてペリプラズム内に露出していることが明らかとなった。
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