1998 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌耐熱性エンテロトキシンの毒素活性発現機構の解析
Project/Area Number |
09670304
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
岡本 敬の介 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70131183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 浩泰 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (30202386)
藤井 儀夫 徳島文理大学, 生薬研究所, 助教授 (60122587)
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Keywords | 大腸菌 / 下痢 / 毒素 / 膜 / ジスルフィド精合 / 遺伝子操作 |
Research Abstract |
毒素原性大腸菌から産生される耐熱性エンテロトキシンにはSTIとSTIIの2種類が知られている。菌体内で生合成されたこれらのSTは効率よく菌体外に分泌され、分泌されたSTが宿主に下痢を引き起こす。細胞質で生合成されたばかりのSTIとSTIIはともに未成熟毒素であり、毒素活性はない。この未成熟のSTがいかにして活性を有する毒素に変換され、如何にして菌体外に放出されるのかを昨年に引き続き研究し、以下のことを明らかにした。 1、 昨年度の研究により、STIはtolCを介して外膜を通過している事を示唆する実験結果を得た。本年度はこの事実をさらに明らかにするため、産生された直後のSTIを解析し、tolCが直接にSTIの分泌に関与しているか否かを確かめた。方法としてはパルスラベル実験を行った。その結果tolCが変異するとSTIが分泌されないことがわかり、STIはtolCを介して分泌されていることが明白になった。 2、 STIIもtoIICを介して分泌されることが報告されている。私達もパルスラベル実験でこの事実を確認した。さらにSTIIの構成アミノ酸を種々変換した変異STIIを作製し、変異STIIの菌体外への分泌を調べた。その結果、STIIの24位のグリシンはSTIIが外膜を通過する構造を構築するのに鍵となるアミノ酸であることがわかった。 3、 STIについても変異実験を行った。その結果、STIのC末端のアミノ酸はSTIの外膜の通過に関与していることが示唆された。
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[Publications] 岡本敬の介: "毒素原性大腸菌が産生するエンテロトキシン" 日本医事新報. 3870. 86-87 (1998)
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[Publications] Hiroyasu Yamanaka: "Need for TolC,an Escherichia coli outer membrane protein,in the secretion of heat-stable enterotoxin I across the outer mebrane" Micro.Pathogen.25・3. 111-120 (1998)
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[Publications] Yoshio Fujii: "Purification and characterization of enterotoxin produced by Aeromonas sobria" Microbiol.Immunol.42・10. 703-714 (1998)
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[Publications] Tomohiko Nomura: "Seretion of hemolysin of Aeromonas sobria as protoxin and contribution of the peopetide region which is removed from the protein to the proteolutic stability of the toxin" Microbiol.Immunol.43・1. 29-38 (1999)