1998 Fiscal Year Annual Research Report
C型インフルエンザウイルスCM2蛋白の翻訳開始機構とイオンチャネル活性
Project/Area Number |
09670307
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本郷 誠治 山形大学, 医学部, 助教授 (90229245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 勘悦 山形大学, 医学部, 教務職員 (60110673)
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Keywords | C型インフルエンザウイルス / CM2 / イオンチャネル |
Research Abstract |
C型インフルエンザウイルスのイオンチャネル蛋白の候補と想定されているCM2の生合成機構を解析し、M遺伝子のunspliced mRNAから翻訳されたP42が、小胞体腔内でシグナルペプチダーゼによる切断を受け、そのC側産物としてCM2が生ずることを昨年度までに明らかにした。本年度は、CM2蛋白がイオンチャネル活性をもっているかを検証し、以下の成績を得た。 1. 試験管内転写で合成したCM2をコードするmRNAをアフリカツメガエル卵母細胞にマイクロインジェクションした。まず初めに、CM2蛋白が卵母細胞内で合成されているかを抗CM2抗体を用いた免疫沈降法で解析し、多量のCM2蛋白が発現していることを確認した。さらに抗CM2抗体を用いた間接蛍光抗体法により同蛋白が細胞表面に輸送されていることを明らかにした。 2. 上記のCM2発現卵母細胞の全細胞電流を膜電位固定法で測定することにより、以下の性状を持つイオンチャネル活性の検出に成功した。 1) 過分極の電位パルスをかけることにより、内向き整流の膜電流が検出され、CM2が電位依存性のイオンチャネルを形成することが示唆された。 2) CM2のイオンチャネル活性のpH依存性は、A型のM2イオンチャネルに比べて小さい。 3) CM2のイオンチャネル活性は抗インフルエンザ薬アマンタジンに抵抗性である。
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[Publications] Tada Y.: "Phosphorylation of influenza C virus CM2 protein" Virus Res. 58・1. 65-72 (1998)
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[Publications] Hongo S.: "Identification of a 374 amino acid protein encoded by RNA segment 6 of influenza C virus" J Gen Virol. 79・9. 2207-2213 (1998)
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[Publications] Hongo S.: "Influenza C virus CM2 protein is produced from a 374-amino-acid protein(P42) by signal peptidase cleavage" J Virol. 73・1. 46-50 (1999)