1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のNefタンパクの構造と機能解析
Project/Area Number |
09670308
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木村 透 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50280962)
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Keywords | HIV / AIDS / Nef / Naf1(Nef-associated factor1) / coiled-coil / タンパク輸送 |
Research Abstract |
HIV(human immunodeficiency virus)は後天性免疫不全症候群(AIDS:acquired immunodeficieney syndrome)の原因ウイルスである。HIVのNef遺伝子はHIVの病原性に必須である.また、NefはHIVの効率的な増殖に必要であり、HIVの受容体CD4の細胞表面での発現を抑制する。しかし、これら分子機構については不明な点が多い。そこで我々は、Nefに結合する細胞側因子を探索した.その結果、Nafl(Nef-associated factor l)を同定し、そのcDNAを単離した.NaflはCOiled-Coil 構造を有するタンパクであり、alternative splicingにより2つのisoformをつくる.発現は、脾臓・末梢血リンパ球で特に高い.Naflを細胞に発現させると細胞内の特定の膜分画に局在する。さらに、Naflをヒト細胞に発現させると細胞表面におけるCD4の発現が増強され、その効果はNafにより抑制される.近年coiled-coil構造を有し細胞内のタンパク輸送に関与する分子が多く単離されている.これら分子との楕造、細胞内局在の相同性及びNaflに細胞表面のCD4分子の発現を増強する活性があることから、我々はNarlはCD4の細胞内輸送を制御することによりCD4の細胞表面での発現を増強する分子であり、NefはそのNaflの機能を結合することにより抑制すると考えている。現在までに、NefはCD4のendocytosisを活性化することによりCD4のdownregulationを誘導することが示されてきた。われわれの結果は、その機構に加えてNefはCD4のupregulationを阻害することにより、CD4のdownregulationを実行するという新しい分子機構の存在を示唆するものである.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Fukushi,M.et al.: "Identification and cloning of a novel cellular protein Naf1,Nef-associated factor 1,that increases cell surface CD4 expression." FEBS Letters. 442. 83-88 (1999)