1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトT細胞白血病ウイルスのレセプターの同定とcDNAクローニング
Project/Area Number |
09670309
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
丹生谷 博 東京農工大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (60135936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 保彦 東京農工大学, 遺伝子実験施設, 助手 (40291348)
|
Keywords | ヒトT細胞白血病ウイルス / HTLV-I / 成人T細胞白血病 / レトロウイルス / エンベロープ / レセプター / ツーハイブリッド / ウイルス |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)は、ヒトに感染して成人T細胞白血病(ATL)を引き起こすレトロウイルスの一種である。動物ウイルスの宿主への感染は、宿主細胞膜蛋白質のレセプターとウイルスの構造蛋白質が相互作用し、ウイルスが宿主に取り込まれるところから始まる。本研究では、HTLV-Iのレセプター検索を目的として、蛋白質-蛋白質間相互作用を解析した。HTLV-Iの被膜蛋白質(Env)はgp46とp20から構成されるが、gp46のAsp-166〜Glu-201までの領域(AX)は感染中和抗体のエピトープを含むものである。このAX領域と相互作用する宿主蛋白質のcDNAクローニングを行うために、酵母ツーハイブリッド系を利用した。DNA結合ドメインにAXを融合させたプラスミドを酵母細胞に導入したところ、転写活性化ドメインを持つプラスミドを導入しなくともβ-ガラクトシダーゼが誘導された。この結果はAX領域に転写活性化能があることを示している。次に、AX領域のサブ領域A(Asp-166〜Ser-182)、M(Ile-174からPro-190)、X(Pro-185からLeu-200)について同様の活性化能を調べた結果、A領域に顕著な活性が認められた。A領域が蛋白質-蛋白質相互作用能を有することが示されたと同時に、酵母の系でのスクリーニングが困難になったので、次に哺乳類細胞のツーハイブリッドベクターを利用して、同様の実験を行った。転写活性化の指標としてはルシフェラーゼ測定によりアッセイを行った。Jurkat培養細胞株ではAX領域は転写活性化能を示さなかったので、この細胞株を用いてのツーハイブリッド系によりAXと相互作用をする宿主蛋白質(レセプター)のcDNAスクリーニングが可能となった。
|
Research Products
(1 results)