1997 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコム遺伝子群による細胞周期調節機構とRAG2蛋白質不安定化による分化異常
Project/Area Number |
09670330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅野 雅元 広島大学, 医学部, 教授 (40161393)
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Keywords | ポリコム遺伝子群 / 細胞周期 / リンパ球分化 / RAG2蛋白質 |
Research Abstract |
1、トランスジェニックマウスの解析;B細胞抗原受容体(BCR)からの刺激に対する細胞増殖阻害/細胞周期アレストの分子機構を検討した。G1/S期のもっともよい指標であるRb蛋白質のリン酸化の抑制、CDKキナーゼ群の活性低下がすでに判明している。CDKキナーゼ群の活性低下の分子メカニズムも検討した。現在までのところ、少なくともmel-18からCDKキナーゼの活性調節へ向かう新しい制御カスケードの存在が証明できた。また、ノックアウトマウスでは全く逆の現象が起きて、細胞増殖昂進が起きていることも確認できた。 2、遺伝子欠損マウスの解析;骨髄および胸腺の低形成が観察された。さらに、T細胞の分化異常(4週齢以上でのCD4/8DNからDP細胞への分化停止)、骨髄中のIL-7反応性リンパ球前駆細胞の増殖障害が観察された。しかし、JAK3/STAT5は正常なのでやはり細胞周期調節異常の可能性が高いと思える。その分子機構の解析を行ったところ、Rbファミリーの抑制が見られることが判明した。現在その原因を解析中である。さらに今年度の実験より、RAG2蛋白質のリン酸化による蛋白質不定化が起きることが判明した。このリン酸化はCDKキナーゼによって起きることから、細胞周期調節が遺伝子再構成を制御するで分化のコントロールを行っていることが分かった。
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[Publications] Hasegawa,M.: "Mammalian Polycomb group genes are categolized as a new type of early response gene induced by B-cell receptor cross-linking." Molecular Immunology. (発表予定). (1998)
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[Publications] Cui,J.: "Requirement for Va14NKT cells in IL-12-mediated rejection of tumors." Science. 278・5343. 1623-1626 (1997)
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[Publications] Akasaka,T.: "The role of mel-18,a mammalian Polycomb group gene,during IL-7-dependent proliferation of lymphocyte precursors." Immunity. 7・1. 135-146 (1997)