1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 文彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (50212220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 啓 京都大学, 遺伝子実験施設, 助手 (10263097)
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Keywords | 免疫グロブリン遺伝子 / 可変部領域 / 塩基配列 / 酵母人工染色体 / 物理地図 |
Research Abstract |
ヒト抗体H鎖遺伝子群は染色体14播長腕部テロメア近傍(14q32.33)の、約1Mbの領域に群在し、テロメアよりから123個のV_H断片、26個のD断片及び6個のJ_J断片が配列されている。ヒトV_H遺伝子断片は塩基配列の相同性に基づき7つのファミリーに分類される。抗体の多様性の個体レベルでの遺伝的基盤はこれらの未分化型の断片の数と構成により決定される。我々は酵母人工染色体ベクターを用いてこの領域全体を単離し、詳細な物理地図を完成させた。さらに詳細な構造を解析するため、得られた物理地図をもとに塩基配列の決定を試み、以下の結果を得た。 1.14qテロメアよりJ_H断片群までの957kbの領域の全塩基配列を決定した。異なるファミリーに属する123個のV_H断片が、領域中で混在しており、また最上流のV_H断片(V3-82P)はテロメアより約1.8kb下流に同定された。また、V_H断片のJ_H断片に対する相対的転写方向はすべて順向きであり、領域中に逆位は存在しなかった。 2.123個のV_H断片は、36個の蛋白として機能する断片、4個の転写されうる断片、4個のORFを持つが転写が確認されない断片と79個の偽遺伝子に分類された。 3.領域中の反復配列は合計796個であり、領域全体の約42%を占めていた。特にL1配列は338個存在しており、ゲノムの平均値の数十倍の頻度であった。 4.D遺伝子群は6個のD断片を含む約9kbの領域が4回重複した構造であった。26個のD断片は両向きとも少なくとも1つのORFを持っており、全てが機能しうることがわかった。
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