1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670361
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清原 千香子 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00169963)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 洋一 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20172356)
田中 恵太郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50217022)
|
Keywords | 肺癌 / 芳香族炭化水素水酸化酵素 / CYP1A1遺伝子 / GSTM1多型 |
Research Abstract |
これまで、九州大学医学部付属病院呼吸器内科の新規受診肺癌患者184名についてインフオ一ムド・コンセントを得て採血(14ml)を行った。本年度収集症例数は76名である。Buffy coatよりリンパ球を分離培養し、芳香族炭化水素水酸化酵素(aryl hydrocarbon hydroxylase:AHH)を測定した。3-methylcholanthrene(MC)て処理した誘導AHH活性、非誘導AHH活性およびAHH誘導性を算出した。また、buffy coatよりDNAを抽出して、cytochromeP4501A1(CYP1A1)遺伝子のMspI多型(A、B、C型)とIle-Val多型(Ile/Ile、Ile/Val、Val/Val型)を測定した。また、グルタチオンS-転移酵素M1遣伝子の多型(非欠損型、欠損型)も測定した。 76名の肺癌患者の平均年齢は64.3(36-86)歳、喫煙率71.8%、ブリンクマン指数の中央値625であった。非誘導AHH活性は0.042pmol/min/10^6細胞[95%信頼区間(95%CI)、0.036-0.050]、誘導AHH活性は0.283pmol/min/10^6細胞(0.238-0.337)、AHH誘導性は6.7(5.7-7.8)であった。これらの数値は以前我々が報告した、健常者の数値に較べて高値であった。組織型別にAHH活性を比較したが、組織型間の活性に殆ど差はなかった。また、肺癌患者ではC型は19.7%、Val/Val型は14.5%と健常者でのC型(8.5%)やVal/Val型(5.9%)に較べ高頻度であった。肺癌患者ではC型(17.5;95%CI,13.5-22.5)はA型(4.94;95%CI,4.06-6.02)やB型(5.56;95%CI,4.75-6.51)に較べて非常に高いAHH誘導性を示した。また、GSTM1の遺伝子の欠損率は66.8%であった。GSTM1の非欠損群と欠損群ではAHH活性、AHH誘導性に有意差は認められなかった。
|