1998 Fiscal Year Annual Research Report
思春期・青年期における抑うつ/自殺のリスク要因と予防に関する国際疫学研究
Project/Area Number |
09670377
|
Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
竹内 一夫 群馬県立医療短期大学, 助教授 (60251089)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 修 山梨医科大学, 助教授 (80196477)
奥寺 崇 群馬大学, 医学部, 助手 (50233466)
鈴木 英樹 群馬県立医療短期大学, 助教授 (70299840)
|
Keywords | 思春期 / 抑うつ / 自殺 / 国際比較 / 精神保健疫学 |
Research Abstract |
本年度は,初年度末に行われた一般思春期集団における結果のまとめと臨床患者群のデータの採取を行った.一般集団の調査は群馬県北部の公立中学校2校の2年生全員を対象とした(質問紙調査DSDは259名,面接調査SCIDはその内の191名).有効回答者はDSD238名(91.9%),SCID 164(85.9%)名であった.MDE(大うつ病エピソード)陽性者はDSDで16名(有病率6.7%),SCID陽性者は17名(10.4%)であり,これらは先行研究の結果とほぼ一致した.一方,DSDとSCIDのMDE判定の一致度は必ずしも良くなかったが(n=164,Kappa=.145,p=.057),下位カテゴリーにおいては「食欲・体重の変化」と「集中困難」を除いてほぼ一致していた.臨床患者集団については,平成10年6月から現在まで群馬大学医学部精神科思春期外来に訪れた小学校高学年から高校生までの患者を対象に.一般集団とまったく同じやり方で2段階でデータを採取した.現時点で10才から18才までの不登校,摂食障害,行動障害など思春期男女の患者34名からDSDを採取し,この内14名にSCIDを施行した.MDE陽性者はDSDで8名(23.5%),SCIDで7名(50.0%)であった.臨床群ではDSDとSCIDのMDE判定の一致は比較的良いが(n=14,Kappa=.571.p=.018),下位カテゴリーでは「食欲・体重の変化」と「集中困難」を除いて一致が悪く,一般集団と反対の結果であった.今後は臨床群の標本数を増やし,かつ詳細な医療記録との突き合わせを行い,原因を詳しく調べる予定である.
|