1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670381
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
〓島 茂 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (40262513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英男 富山大学, 理学部, 助教授 (30134993)
北川 正信 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40010003)
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Keywords | 肺ガン / 生体組織標本 / 残留磁化強度 / 超伝導残留磁気測定装置(SQUID) |
Research Abstract |
肺ガン患者14例および肺ガン以外の患者11例の肺組織中の残留磁化強度をSQUIDにより測定した。自然残留磁化強度(NRM)は肺ガン患者の肺組織(8.00±13.11×10^<-7>emu、範囲0.38〜223.95×10^<-7>emu)中で、非肺ガン患者の肺組織(3.35±3.35×10-7emu、範囲0.73〜12.20×10^<-7>emu)中より高い傾向だったが、有意差を認めなかった(P=0.2)。NRMの最高値は肺ガン患者の肺組織の223.95×10^<-7>だった。空白対照(組織空白の磁化強度は0.82±0.43×10^<-7>emu、機器空白は0.46±0.30×10^<-7>emu)の磁化強度と比べて、肺組織の磁化強度が有意に高く (P<0.05)、肺組織の中に磁性物質が含まれる可能性が示唆された。また、肺ガン以外の患者11例の5種類(心、肺、肝、牌、腎)の組織の磁化強度を測定したところ、肺の磁化強度(3.35±3.35×10^<-7>emu)が一番高く、次いで、心、牌、腎の順で続き、肝の磁化強度(1.24±1.42×10^<-7>emu)が最も低かった。人工的な磁化(ARM)はNRMより1桁磁化が強く現れた。さらに五種類の組織の残留磁化は空白対照より高く、正常組織中にも磁性物質の存在が示唆された。この11人の患者のそれぞれ組織の磁化強度を比較したところ、平均磁化強度は空白対照と同じ強度のものからより有意に高い症例まであり幅が広かった。 また、本年度の研究では職域における電磁場曝露の測定を行った。工場内でアーク溶接作業時に溶接機から50cmの地点で3軸交流磁界測定器を用いて測定した。磁場は60-70Hzで1回目19.32mG、2回目14.05mGと高値を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 王紅兵、〓島茂、鏡森定信: "電磁場に関する発がん性の疫学研究" 癌の臨床. 44・12. 1459-1463 (1988)
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[Publications] 王紅兵、〓島茂、関根道和、劉仲玉、鏡森定信: "電磁場の職業曝露と成人白血病に関する疫学研究のメタ分析" 日本公衆衛生雑誌. 45・10. 113 (1998)
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[Publications] 王紅兵、〓島茂、関根道和、鏡森定信: "超伝導残留磁気測定装置(SQUID)による人間正常組織の残留磁化の研究" 日本衛生学雑誌. 54・1. 324 (1999)