1997 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害患者の難治化要因、治療、予後に関する疫学的研究
Project/Area Number |
09670401
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野添 新一 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 教授 (10117533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 靖之 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90195701)
成尾 鉄朗 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (70244233)
|
Keywords | 神経性食欲不振症 / 長期予後の不良因子 / 異常食行動 / 嗜癖行動 / 入院治療脱落 / 窃盗歴 / 社会適応性 / 人格障害 |
Research Abstract |
目的:神経性食欲不振症(AN)の診断基準、治療内容、予後判定基準を明らかのした上で、長期予後(退院後4年以上)を調査し、長期予後に関する因子を当科入院までの臨床的特徴から明らかにすること。 方法:対象は、これまで当科に入院して行動療法による治療を受けた神経性食欲不振症患者112名(女104男8)である。これらを入院治療終了基準をすべて満たしたかどうかで分類すると1)治療終了基準をすべて満たして退院した患者55例(49.1%)、2)他の基準は満たしたが復学や復職のため体重が標準の80%に達しないで退院した患者37例(33%)、3)治療を拒否し治療者や家族の説得に応じず、治療を脱落した患者20(17.9%)であった。なお3)の中に当科入院中自殺した1例も含まれる。これら112例中、自殺した1例を除いて、病院での面接(約20%)、または電話にて本人または家族(主として母親)への予後調査を行なった。調査できたのは108例(97.3%)であった。 結果及び結論:臨床的に回復したと考えられるのは63例(58.9%)、入院時に比して異常食行動や社会適応性がかなり改善した者が35例(32.7%)、異常食行動や社会適応性が続き、慢性化したのが9例(8.4%)で全体的には良好な成績であった。これらについて調べた長期予後が不良であると考えられた因子が次のようであった。すなわちAN発症前の因子としては社会適応性の不良、家族への適応性の不良、不安または人格障害、発症後の因子としてはアルコール・コーヒー・タバコいずれかの嗜癖、窃盗歴、入院治療脱落例などであった。しかし、低い体重との関連はなかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Shinichi Nozoe: "practical thempy for amorexianervosa-conbined the rapentic approuch focusing on beharion therapy" Astar Medical Journal. 40(11). 555-565 (1997)
-
[Publications] 野添新一: "摂食障害" 臨床と研究. 74(11). 43-47 (1997)
-
[Publications] 添嶋裕嗣、野添新一: "摂食障害に対する治療の最近の進歩" 心身医学. 37. 49-54 (1997)