1998 Fiscal Year Annual Research Report
AIDS/HIV流行の将来予測と保健・医療への影響に関する研究
Project/Area Number |
09670406
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Research Institution | Yokohama City University School of Medicine |
Principal Investigator |
北村 勝彦 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30195284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌倉 光宏 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (60169604)
水嶋 春朔 横浜市立大学, 医学部, 助手 (60281739)
木村 博和 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20244486)
小城原 新 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00046137)
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Keywords | HIV / AIDS流行予測 / インターネット |
Research Abstract |
世界のHIV感染症サーベイランスデータは、各種統計指標の推定根拠、統計が更新される間隔、AIDSの定義、統計におけるHIV感染とAIDS症例の相互の取り扱い、診断および届け出の遅れ、推定捕捉率などの点で、質的な相違が認められる。また、HIV感染者の届け出については、先進国においても全国レベルで届け出がシステム化されている国は限られているため。このような背景を考慮しつつ、世界のHIV/AIDSの現状と今後の動向について、インターネットにて発信されているUNAIDS,WHO,US.Bureau of the Censusなどの公的機関の情報や国際シンポジウムの資料情報を収集し検討し解析を行った。 先進国においては主としてプロテアーゼ阻害剤を含む抗レトロウイルス療法の効果により発症後死亡に至るまでの生存期間が延長されAIDS死亡率が低下したがHIV感染の罹患率は国によってその様子が異なるものの減少傾向は著しくはない。我が国では、先進国の中では例外的に感染者の年次報告数、献血者における血清抗体陽性率の着実な上昇が認められている。AIDS転症例報告は極めて少ないものの、感染拡大について依然として憂慮すべき状況が残されている。我が国の感染者の増加傾向は主として国内の性的接触による日本国籍男性感染者数の増加によるものと考えられる。献血における血清抗体陽性率の上昇などのデータから懸念される一般人口への感染拡大に歯止めをかけるような継続的施策が急務であると考えられた。先進各国とのサーベイランスシステムの比較においては、どの先進国においてもHIV感染者を対象としたサーベイランス、AIDS感染者とのリンケージ、重複報告を防ぎ正確な疫学資料を得るための各種IDの適正な活用の必要性が高まるものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kitamura,K.: "Baicalin,an inhibitor of HIV-1 production in Vitro" Antiviral Research. 37. 131-140 (1998)
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[Publications] 北村勝彦: "HIV感染症;世界の疫学・日本の疫学" 日常診療と血液. 8(7). 17-27 (1998)
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[Publications] 北村勝彦: "HIV感染症の疫学" 臨床成人病. 28(8). 907-914 (1998)
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[Publications] 大重賢治: "カンボジアにおけるHIV流行の疫学的特徴" 日本公衆衛生雑誌. 46. 61-70 (1999)
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[Publications] 北村勝彦: "NEW衛生公衆衛生学" 南江堂, 407 (1998)