1997 Fiscal Year Annual Research Report
都市住民を対象とした食事指導のコレステロール低下効果に対する無作為化比較研究
Project/Area Number |
09670407
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊達 ちぐさ 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (60047389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30227144)
田中 平三 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70047215)
|
Keywords | 無作為化比較試験 / 食事指導 / 血清コレステロール / LDLコレステロール / 食事性脂質 / 食事性コレステロール |
Research Abstract |
大阪市A保健所管内の住民で、1997年5月以前の6ヶ月の間に測定された血清総コレステロール(以下、TCH)が230mg/dl以上で279mg/dl以下、かつHDLコレステロール(以下、HDL-CH)が90mg/dl未満の者で、年齢は40歳以上69歳以下の男女66名を対象に1997年5月に第1回検査を行った。検査項目は、血液検査、身体計測、食事調査、問診とした。この検査でTCHが300mg/dlを超えていた者、血中コレステロールに影響を与える薬を服用していることが判明した者、TCHが正常範囲を示した者を除外し、59名を参加適格者とした。適格者をランダム配置により前期介入群(以下、前期群。女性26名、男性4名、計30名)と後期介入群(以下、後期群。女性26名、男性3名、計29名)とした。前期群は初回検査後約2週間の時点で初回検査の結果を用いて食事指導を実施した。その後2ヶ月間隔(7月と9月)で合計3回の個別指導を行った。この間、後期群は全く介入を行わない観察期間とした。初回検査から6ヶ月後(1997年12月)に1回目と同じ内容で2回目の検査を前期群と後期群の両群に実施した。 TCHは前期群1回目245.9mg/dlが2回目230.1になり24.8低下したが、後期群も1回目256.0が2回目250.3となり5.7低下したので、食事指導によるTCHの正味の低下は19.1mg/dlであった。HDL-CHは、前期群1回目67.5mg/dlが2回目73.6と6.1上昇したが、後期群も1回目67.2が2回目73.2と6.0上昇したので、HDL-CHの正味の変化はほぼ0であった。一方LDL-CHは前期群1回目163.1mg/dlが2回目138.9と24.2低下したが、後期群も1回目165.8が2回目158.0と7.81低下したので、LDL-CHの正味の低下は16.4mg/dlとなった。食事指導によるTCHは低下するが、それはLDL-CHの低下によることが示された。
|