1998 Fiscal Year Annual Research Report
都市住民を対象とした食事指導のコレステロール低下効果に関する無作為化比較研究
Project/Area Number |
09670407
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊達 ちぐさ 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (60047389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30227144)
田中 平三 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70047215)
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Keywords | 無作為化比較試験 / 食事指導 / 血清コレステロール / LDLコレステロール / 食事性脂質 / 食事性コレステロール |
Research Abstract |
方法:今年度は大阪府A-I地区において、昨年度の大阪市A地区と同じ方法で無作為化比較試験を行なった。40〜69歳で住民健診の血清総コレステロール(以下、TCH)が230mg/dl以上で279mg/dl以下の者を対象にTCHのスクリーニング検査を行なった。その結果230mg/dl以上で非服薬者を本研究の対象者とした。血液検査、身体計測、食事調査、問診を含む第1回検査の後、無作為配置により2群に分け介入群と対照群とした。介入群には第1回検査の約2週間後から2ヵ月間隔で3回の個人別食事指導を行った。この間対照群は特別な指導を受けなかった。第1回検査から6ヵ月後に同様の内容で第2回検査を両群に実施した。26名を対象に平成10年6月に第1回検査を、平成10年12月に第2回検査を行なった。各検査項目の第1回検査時平均値と第2回検査時平均値の差を介入群と対照群別に求め、(介入群の差)-(対照群の差)を指導による正味の効果とした。A-I地区の対象者のみでは例数が少ないため、解析はA地区とA-I地区とを合計して第1回検査のTCHが230mg/dl以上であった75名について行なった。 結果:TCHは介入群第1回検査時256.5mg/dlが第2回検査時231.9mg/dlと24.6mg/dl低下したが、対照群も256.6が252.7と3.9低下したので、指導による正味のTCH低下量は20.7mg/dlであった。HDL-CHは介入群67.4が70.4と3.0の上昇、対照群も68.0が72.2と4.2の上昇で、正味の低下量は1.2mg/dlであった。一方LDL-CHは介入群164.8が140.6と24.2の低下、対照群も165.8が158.0と7.4の低下により指導による正味の低下量は16.8mg/dlであった。食事指導によってTCHは低下するが、それはLDL-CHの低下によることが示された。
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[Publications] 宮田,周子: "都市住民を対象とした食事指導の血清コレステロール低下効果 第1報 対象者選定と教室の運営について" 日本公衆衛生雑誌. 45巻10号(特別付録). 222-222 (1998)
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[Publications] 伊達,ちぐさ: "都市住民を対象とした食事指導の血清コレステロール低下効果 第2報 食事の変化と血清コレステロール低下量" 日本公衆衛生雑誌. 45巻10号(特別付録). 222-222 (1998)