1997 Fiscal Year Annual Research Report
暴露量の誤差を考慮しない疫学研究結果より算出された安全基準の使用による問題点
Project/Area Number |
09670415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
杉田 稔 東邦大学, 医学部, 教授 (80051845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田原 由美 東邦大学, 医学部, 助手 (60287498)
伊津野 孝 東邦大学, 医学部, 講師 (20213019)
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Keywords | epidemiology / dose-response relationship / renal dysfunction / cadmium concentration in rice / error in dose |
Research Abstract |
カドミウム(Cd)摂取総量を米中Cd濃度(Cd-R)などから計算し、それを量として、腎尿細管機能異常を反応とする量・反応関係の既存の疫学研究において、明瞭な量・反応関係が報告されている。しかし、Cd-Rには諸条件で小さくない変動を伴うと報告されているにも拘らず、その量・反応関係が安易に環境安全基準作成の基礎資料にされている。なお、この疫学研究では、量に誤差がないという前提に立っている。そこで今年度は、Cd摂取総量と腎尿細管機能の量・反応関係の疫学研究において、Cd-Rから算出されたCd摂取総量が量として妥当な指標かどうかを研究することを目的とする。 環境庁が1971年と1973年に富山県婦中地区の水田でCd-Rを測定した。36の同一地点にて測定されたCd-Rを統計学的に解析した結果、相関係数は0.21で、統計学的検定は有意でなかった。また、このCd-Rは対照地域程度の低い値からかなり高い値まで分布していた。なお、この地区で高齢の女性にイタイイタイ病患者が多く発生した。 量に誤差がないことが前提の量・反応関係の疫学研究結果と量の具体的誤差の情報を極座標を使用して結合させる方法を本研究で開発した。この方法は、量の誤差を考慮して量・反応関係の疫学研究結果の信頼性を相対的にみるものである。量に誤差がないことを前提とし、Cd-Rから算出されたCd摂取総量を量とする量・反応関係の疫学研究は、量の誤差が非常に大きい(相関係数-0.21)ことから、その意義が小さいと言えよう。したがって、Cd摂取総量と腎尿細管機能の量・反応関係の疫学研究において、Cd-Rから算出されたCd摂取総量は量として妥当な指標ではないという結論になる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sugita M, Izuno T, Otahara Y, et al.: "Reevaluation of the dose-response relationship between intake of cadmium in rice and renal dysfunction" (投稿準備中).