Research Abstract |
隔日勤務制をとっているタクシー事業所に勤務する40-55歳の男性ドライバーで,正常血圧群15名,境界域高血圧を含む未治療高血圧者10について,24時間勤務,明け,公休日の連続する3日間について,勤務日の午前7時にHolter心電計,携帯型24時間自動血圧測定装置,身体活動量計を装着,時報(Tel:117)に合わせて測定を開始し,72時間連続測定した.Holter心電計には,点火時に5Hzの信号およびイベントマークが入力しうるように開発したライターを連結し,喫煙者に使用させた.Holter心電計により得られた3日間の波形は,目視下に全拍を確認,不整脈,アーチファクトを同定,除外したのち,R-R間隔を取り出し,complex demodulation法により,R-R間隔の変動について,高周波成分(中心周波数0.30Hz,以下HFA)と低周波成分(中心周波数0.090Hz)の振幅(msec)を算出,経時的変動を検討した.HFAを副交感神経活動の指標とし,また,HFAに対する低周波成分の比を交感神経活動の指標とした.血圧は30分毎に自動測定するよう設定した.身体活動量計は手首に装着し,30秒間隔で0.1Gを越える腕の動きの頻度を記録した.測定結果から,交感,副交感神経活動レベルが,日周リズムの影響を受けて推移しつつも,乗務の有無や血圧レベルとの密接な関連を示すこと,勤務中の喫煙の影響は,1日のうちでも異なることなどが示された.
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