1999 Fiscal Year Annual Research Report
プライマリ・ケアにおけるアルコール関連障害に関する研究
Project/Area Number |
09670423
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伴 信太郎 名古屋大学, 医学部, 教授 (40218673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 清志 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10144495)
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Keywords | アルコール関連障害 / プライマリ・ケア / CAGE質問 / KAST / 質問表 |
Research Abstract |
本年度は、プライマリ・ケアにおけるアルコール問題の現況を明らかにするための質問表(前々年度に配付、前年度に回収・集計)の解析をほぼ終えた。 質問表の主な内容は、1.背景情報;(年齢)(性別)(飲酒の程度)(喫煙の程度)(医療機関との関係;初診、定期通院等の別)、2.CAGEquestionnaireを翻訳した質問(本研究者訳)とKAST(久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト)を混在させた質問18項目、3.喫煙に関する質問8項目からなる。 質問表の配布・回収は、川崎医大総合診療部外来、日本原病院外来(山間地の病院外来)、奈義ファミリークリニック外来(山間地の診療所)、乾医院外来(郊外の診療所)、田坂内科院外来(都市部の診療所)、ゆうクリニック外来(アルコール問題専門医)におい行なった。 この集計からは、受診患者の飲酒率(1週間に3日以上飲酒する人の割合)は5施設の間に有意差は無く、5施設を会わせた平均は男性46.5%、女性9.9%であった。また、KASTが0点以上の問題飲酒者についても5施設の間に有意差は無く、男性12.6%、女性1.9%であった。これらの結果から、都市部・郡部、病院・診療所などの診療環境を問わず、プライマリ・ケアの外来において、男性患者に高率に問題飲酒者が存在することが明らかになった。また、男性では、70歳以上、女性では60歳以上の高齢者において問題飲酒者は有意に少なかった。以上の結果は論文にて発表した。 なお、アルコール問題スクリーニングのための"CAGE questionnaire"(Ewing JA,Detecting alcoholism,the CAGE questionnaire.JAMA 1984;252:1905-1907)の操作特性については現在解析を進めている。
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