1998 Fiscal Year Annual Research Report
手腕系振動障害における冷水浸潰による皮膚温検査の国際標準化に関する検討
Project/Area Number |
09670425
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 助教授 (60232295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿野 美穂子 久留米大学, 医学部, 助手 (50279139)
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Keywords | 産業保健 / 職業病 / 手腕系振動障害 / 抹消循環障害 / 冷水浸潰試験 |
Research Abstract |
1998年6月に開催された国際手腕系振動会議(スウェーデン)において、“TestRoom Temperature Effects on the Recovery of Skin Temperature,Vibrotactile Threshold and Thermal Pain Pcrccption in Cold ProvocationTest"の演題で発表を行った。精密に制御された室温下では、室温の違い(17℃、22℃、27℃)や採用した3種類の冷水浸漬試験法(5℃法、10℃法、15℃法)により皮膚温の回復はすべての被験者で一定の傾向が認められ、室温が良好に調節される環境下では、末梢循環機能検査として冷水浸潰法が有用であることが認められた。また、同時に他の生理機能とくに振動感覚と痛覚測定の意義も併せて報告した。この会議で実際の測定現場では室温が20℃から24℃の間で変動するので、この範囲での冷水浸楫斐潰試験法の有用性に関して多くの議論がなされ今後の爪要な検討課題となった。本年度はさらに細かな室温設定(20℃、22℃、24℃)下で3種類の冷水浸潰条件(10℃の冷水中に10分間浸潰、10℃の冷水中に5分間浸潰、5℃の冷水中に1分間浸潰)での末梢循環機能の評価を健常人について行った。皮膚温回復は室温が24℃のとき、他の室温条件に比べて個人間の変動が著明となった。また、冷水浸漬法では15℃法がどの室温でも皮膚温回復が遅く、もっとも負荷強度が強いことがわかった。末梢神経機能検査の振動覚と痛覚も、皮膚温変化と類似の変化を認めたが、痛覚閾値がもっとも回復が遅れることから、この指標がもっとも敏感な生理指標となる可能性が示唆された。
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