1997 Fiscal Year Annual Research Report
自治体の廃棄物焼却炉で働く労働者におけるダイオキシン関連物質の体内蓄積状況
Project/Area Number |
09670429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
熊谷 信二 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (50250329)
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Keywords | ダイオキシン / 廃棄物焼却炉 |
Research Abstract |
血中のポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)は極めて微量であり、慎重な分析が必要である。そこで、血中PCDDs/PCDFs濃度の測定法の正確さを検討するため、コントロール血しょうに標準試料を添加し、以下の要領で回収試験を行った。まず、血しょうにエタノールおよびヘキサンを加え、脂肪を振とう抽出し、乾燥後、脂肪重量の測定を行った。次いで、水酸化カリウムにより脂肪を分解した後、PCDDs/PCDFsをヘキサンで抽出した。さらにクリーンアップのため多段カラムを通した後、アルミナカラムによりPCDDs/PCDFsとPCBsを分離した。最後に10μlまで濃縮した後、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計によりPCDDs/PCDFsの測定を行った。回収率はほとんどのPCDDs/PCDFsで80%以上と良好であったが、一部の検体のヘキサCDDの回収率が60%程度と少し悪かった。このため、現在脂肪抽出の方法を少し変更し回収試験を実施している。当初の予定では、今年度に実際の検体も少し測定する予定であったが、回収試験結果に上記の問題があったためできなかった。脂肪抽出法を変えた方法での回収試験は現在進行中で、今年度中には結果がでる。それを踏まえて、来年度は焼却炉労働者および一般労働者の血しょう中PCDDs/PCDFs濃度の測定を行う予定である。
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