1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小湊 慶彦 富山医科薬科大学, 医学部, 講師 (30205512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 伸秀 富山医科薬科大学, 医学部, 教務職員 (40208509)
滝澤 久夫 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90171579)
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Keywords | ABO式血液型遺伝子 / 転写制御 / CBF / NF-Y |
Research Abstract |
ABO式血液型遺伝子の転写調節機構を調べた。ABO式血液型遺伝子の上流域4.7kbの全長又は一部をルシフェラーゼ遺伝子の前に挿入し、レポータープラスミドを作製し、プロモーターアッセイを行った。胃癌由来の培養細胞KATOIIIでの結果は転写開始点の下流31bpから上流117bpの領域、及び上流3.2kbから4.0kbの領域が促進的に働くことが判った。特に上流3.8kbから3.7kbの領域には43bpからなる塩基配列の4回繰り返し構造があり、それが転写活性増強に係わっていた。この43bpからなる塩基配列には転写制御因子CBF/NF-Yが結合することが胃癌細胞からの核抽出液を用いたバンドシフトアッセイによって明らかになった。CBF/NF-Yは3つのサブユニットからなるが、細胞分化に伴い3つのサブユニットが結合し、DNAに結合することが最近知られてきた。上皮細胞では細胞分化に伴ってABO式血液型が発現してくることが知られているが、この事実はCBF/NF-YがABO式血液型遺伝子の転写制御に関与するという結果とは合致するものである。また、近位プロモーター領域とエンハンサー領域の間の領域は転写活性に抑制的に働いているので、サイレンサー領域の存在が予想される。 次に赤白血病細胞由来のHEL細胞と正常骨髄からのcDNAを用いて5'RACEを行い、赤血球糸細胞での転写開始点がそれぞれ翻訳開始点の上流20、9塩基であることがわかった。HEL細胞を用いてプロモーターアッセイを行い、転写開始点の下流31bpから上流117bpの領域が最大転写活性にとって必要かつ十分であるという結果を得た。この結果はKATOIIIからの結果と異なるもので、上皮細胞と赤血球系細胞でのABO式血液型遺伝子の転写制御は異なる責任領域が働いていることが結論づけられる。現在、赤血球系細胞での転写に特異的に働く因子の同定を行っている。
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Research Products
(1 results)