1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670440
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 雄二 岡山大学, 医学部, 講師 (30136379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 日出雄 岡山大学, 医学部, 教授 (70033157)
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Keywords | 遺伝的多型 / STR多型 / 指紋 / マルチプレックスPCR法 / nested-PCR法 / dual-PCR法 |
Research Abstract |
本研究課題では、本年度は主として1個の指紋からSTR多型の検出を可能にするため、PCRによる検査法の高感度化を試みた。概要は以下に示す通りである。 1.超微量DNAからのSTR多型の検出を可能にするため、以下に示す各方法について検出限界および信頼性に関する基礎的検討を行った。 1)Dual-PCR法:同一のプライマーセットにより連続した2回のPCRを行う。 2)Nested PCR法:Dual-PCR法と同様に2回のPCRを連続して行うが、2回目のPCRでは1回目のプライマーセットの内側の領域に設定した新たなプライマーセットによりPCRを行う。 3)PEP-PCR法:15-merのランダムプライマーを用いたPrimer Extention Preamplification(PEP)法により試料中のゲノムDNA全体を増幅した後、その産物を鋳型としてPCRを行う。 4)PEP法とDual-PCR法或いはNested PCR法との併用法:PEP法により試料中のDNAを増幅した後、その産物を鋳型としてDual-PCR法またはNested PCR法を行う。 これらの検出法のうち、Dual-PCR法およびPEP法とDual-PCR法との併用法により、TH01型、TPOX型およびCSF1PO型の3座位のSTR多型を検出する方法が高感度であり、指紋からの多型検出に適していることが明らかとなった。 2.ガラス、紙、金属、プラスチック等に実験的に付着させた指紋を滅菌蒸留水で湿らせた小綿球を用いて拭き取り、ジチオスレイトール存在下にDNAを抽出し、これを鋳型としてDual-PCR法およびPEP法とDual-PCR法との併用法によりSTR多型の検出が可能であった。 STR多型のアレル増幅産物は、7M尿素を含む4%ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、銀染色により検出し、また、蛍光プライマーによるアレル増幅産物はキャピラリー電気泳動装置によりアレルの解析を行った。
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