1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖鎖標識法の開発と唾液特異ABHエピトープ解析への応用
Project/Area Number |
09670449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木村 章彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60136611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 啓史 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80285387)
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Keywords | 糖鎖 / 蛍光標識 / 高速液体クロマトグラフィー / ELISA / TLC |
Research Abstract |
糖タンパクや糖脂質を構成する糖鎖は高度な多型性を有し、多様で重要な生理活性を発現する。これらの糖鎖の構造解析はタンパクやDNAの解析に比べ困難である。本研究では、糖鎖の構造解析をより容易なものとするため、高速液体クロマトグラフィーで分析可能で且つELISAやTLC-イムノブロッティングに使用可能な新規蛍光糖鎖標識試薬を合成を試みその有用性を検討した。 既存の種々の蛍光標識試薬は高速液体クロマトグラフィーによる分析には適していたが、疎水性が低いためELISAやTLCの固相への保持が不十分であった。そこで、高速液体クロマトグラフィーとELISAおよびTLCのいずれによっても分析可能な蛍光標識試薬を得るために、1,4-aminobenzoicacidと直鎖脂肪族アルコール(C8,C16)を用いて脱水縮合反応により疎水性の高いアミノエステル(amino-C8,amino-C16)を合成した。 唾液ムチンを精製しヒドラジン分解によりABO式血液型活性糖鎖を切り出し粗製のまま2種の新規標識試薬を用いて標識しそれぞれの分析法により分析を試みた。amino-C8は既存の標識試薬と同様に高速液体クロマトグラフィーによる分析には適していたが、疎水性が不十分なためELISAおよびTLCには不適当であった。一方、amino-C16はELISAおよびTLCに十分な疎水性を有していたが、高速液体クロマトグラフィーではその高い疎水性のためかシャープな分離が困難であった。次年度は(C8,C16)の中間の鎖長の直鎖脂肪族アルコールを用いて標識試薬そ合成し、有効な標識法を開発する予定である。
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