1997 Fiscal Year Annual Research Report
物理的反復侵襲に対する標的臓器の反応に関する免疫組織化学的・超微細構造的研究
Project/Area Number |
09670450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
青木 康博 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90202481)
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Keywords | 実験的脳損傷 / 動物実験モデル / fluid percussionモデル / 細胞培養 / 三叉神経節 / 超微細構造 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
本年度はラット脳を試料として,物理的反復侵襲による形態学的変化をin vivo及びin vitroにおいて観察するための基礎的検討を行った。 1.反復物理侵襲動物実験モデルの設定: in vivoにおける脳の反復損傷モデルとして,Marmarou et al.によるびまん性脳損傷モデルを改変した実験モデルを設定した。ラット頭蓋冠にステンレス円板を固着させ,緩衝材上にラットを固定して,一定の高さよりウエイトをプラスチック円筒を通じて円板上に落下させることにより,定量的侵襲を加えた。これを数日の間隔をおいて数回反復する。脳を潅流固定を摘出し,免疫組織学的・超微細構造的検討に供した。固定法等の標本作製方法について種々の検討を行った上で,超薄凍結切片法および抗ニューロフィラメント68抗体を用いた金コロイド法を採用して,良好な結果を得ている。 2.培養神経細胞の水平加速度刺激に対する反応: 脳の反復性加速減速刺激に対する神経細胞の反応に関する基礎的知見を得るため,培養神経細胞に水平方向の加速度を与えて形態学的検討を行った。生後10週のラットを断頭し,摘出した三叉神経節細胞を培養後,単振動(振幅40mm,120Hz,5秒)により水平方向への加速度刺激を1回な描あ5回反復し,24時間後に固定して螢光抗体法により観察を行った。1回振盪群では対照群と間に神経繊維の走行において差が見られなかったが,3回振盪群では神経突起の走行に形態的異常を認めた。また,透過電顕による神経突起の観察によっても,細胞骨格の不整が観察された。さらに3〜5回浸盪群においては,シュワン細胞の細胞突起の伸長も大きい傾向が認められた。
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