1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子解析に有効なホルマリン固定・パラフィン包埋標本の作製法の開発
Project/Area Number |
09670451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 雅典 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (70103356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸映 獨協医科大学, 医学部, 助手 (60245090)
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Keywords | ホルマリン固定 / パラフィン / DNA / PCR / 遺伝子解析 / STR / AB0遺伝子型 / アメロゲニン |
Research Abstract |
以下の12種類のホルマリン固定液(濃度はすべて10%v/v)により組織を固定し、DNAの保存性およびD1S80型のアリル増幅に対する影響を検討した。(1)ホルマリン、(2)中性緩衝ホルマリン、(3)50mM EDTA加中性ホルマリン、(4)50mM EDTA加中性ホルマリン+Flavonoid、(5)中性緩衝ホルマリン+Flavonoid、(6)150mM NaCl加中性緩衝ホルマリン、(7)マイルドホルム(和光)、(8)50mM EDTA加マイルドホルム、(9)150mM NaCl加マイルドホルム、(10)Flavonoid 1%加マイルドホルム、(11)Flavonoid 2.5%加中性緩衝ホルマリン、(12)5mM EDTA加中性緩衝ホルマリン 【結果】48時間固定でのgenomic DNAに対する保存性は(1)はDNAが消失し、(7)ではDNA収量の著しい減少を認めた。その他の固定液では分解が進行しなかった。DNase I活性に対する抑制効果はEDTAおよびFlavonoidに認められた。組織内DNAの保存性は、EDTA、NaClおよびFlavonoidそれぞれにDNA分解抑制効果が認められた。D1S80のアリル増幅(24,31)を行うと、(5)、(6)、(8)および(9)で固定した組織内のDNAは比較的安定で、型判定が可能であった。今後、STR、アメロゲニン、AB0遺伝子型の判定も検討する予定である。
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