1999 Fiscal Year Annual Research Report
HLAクラスII遺伝子のDNAタイピングと法医鑑定試料への応用
Project/Area Number |
09670452
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柳田 純一 慶應義塾大学, 医学部・法医学, 教授 (70049790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正昭 埼玉医科大学, 法医学, 助手 (50129160)
村井 達哉 慶應義塾大学, 医学部・法医学, 助教授 (80129692)
篠塚 達雄 慶應義塾大学, 医学部・法医学, 講師 (70095610)
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Keywords | HLA-classII / DNAタイピング / 親子鑑定 |
Research Abstract |
近年、血痕などの法医試料からDNAの抽出操作を行わずに直接PCR産物を得る方法が種々報告されている。報告者らは、これまでに全血や血痕などを試料として直接増幅試薬(Ampdirect^<TM>)のDNA多型解析への有用性について検討を行なってきた。法医試料におけるDNA多型解析では、HLA型は対立遺伝子数が多く、ヘテロ接合度、識別率やPICが高いことから、親子鑑定のみならず個人識別への利用が有力視されている。従来、HLA Class II型判定はDNAタイピングが主流であり、PCR-SSO法,PCR-SSP法,PCR-RFLP_S法、PCR-SSOP法などの様々な検査法が考案されている。一方、法医実務における個人識別では極微量な血痕を試料として分析しなければならない場面が多く、HLA Class IIのDNAタイピングは、VNTRやSTRなどのDNAタイピングに比べて多くのDNA量を必要とするため、その判定にはより困難を伴うことが予想される。そこで、法医試料を対象としたDNA多型解析では、より効率のよいPCR増幅が要求される。 DNAの抽出操作を行なわずにDrop PCR Kit for Human Bloodを用いて血痕(1mm×1mm大)から直接PCR産物を得た後、HLA-DQa(AmpliType HLA-DQa PCR Amplification and Typing Kit法)およびHLA DRB(HLA DRB ELPHA Kit法)遺伝子型の判定を行なったところ、いずれも多型解析が可能であった。また、HLA DRB1遺伝子型は、対象としてあらかじめ血液(血痕作成時に使用したもの)から抽出したDNAを用いてSSP法で型判定をした結果とよく一致していた。Drop PCR Kit for Human Bloodを用いた血痕の直接PCR法は、法医学実務に有用な方法であると考えられた。
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Research Products
(2 results)