1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670465
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中澤 次夫 群馬大学, 医学部, 教授 (70008316)
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Keywords | ヒト肺肥満細胞 / 好酸球 / IL-5 / TNF-α / GM-CSF |
Research Abstract |
アレルギー反応の慢性炎症像の形成増幅に関してリンパ球、肥満細胞、好酸球等の炎症細胞のネットワークが想定されている。本研究ではこのうち肥満細胞と好酸球の細胞間の相互作用に注目してヒト肺の肥満細胞細胞を用いてネットワークの解明を試みることを目的とし、好酸球に対しメジエーター(ECP)遊離、生存率、接着能、遊走能の亢進あるいは抑制を惹起する肥満細胞からの因子を決定することとした。 1. ヒト肺肥満細胞におけるIgE依存性刺激による各種サイトカイン産生の解析。 純度99%に精製したヒト肺肥満細胞をSCF(Stem cell factor)と抗IgE抗体存在下で刺激し遊離するIL-5,GM-CSF,TNF-αを酵素抗体法で、ヒスタミン遊離量をRlAにて測定した。ヒスタミン遊離量と3種のサイトカイン産生には有意な相関はなかったがIL-5とGM-CSF、IL-5とTNF-α、GM-CSFとTNF-αとの間には有意の正の相関がみられた。しかしIL-5とGM-CSFはIgE依存刺激後はじめて、有為な遊離がみられるのに対し、TNF-αは培養単独にても遊離が認められ、その産生機序の相違が示唆された。 2. ヒト肺肥満細胞からのIL-5,GM-CSF,TNF-α産生に対する細胞外マトリックス構成成分の影響。ファイブロネクチン(FN)ビトロネクチン(VN)は細胞の接着、遊走、増殖などの機能と密接な関連がある細胞外マトリックス構成成分である。ヒト肺肥満細胞にFN,VNの受容体の総菜が確認されているのでこれらマトリックスのIL-5,GM-CSF産生に及ぼす影響を検討した。ヒト肺線維芽細胞FN,VNでコートした組織培養プレートでヒト肺肥満細胞をIgEで感作後、抗IgE抗体などで刺激後、サイトカイン遊離量を測定したところ、FN,VNによりIL-5,GM-CSF産生は有意に増強した。この増強作用はIL-5mRNA,GM-CSFmRNAの段階において認められた。 本来アレルギーのeffector cellである肥満細胞からも種々のサイトカインが遊離され好酸球の細胞機能に影響を及ぼし、アレルギーの慢性炎症形成に関与することが推定される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Okayama Y: "Human lung most cells are enriched in the capacity to produce granulocyte-Nacrophage colony-Stimulation Factor in vesponse to IgE-dependent Stimulation" Eur J Immunol. 28. 708-715 (1998)
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[Publications] Okayama Y: "Human Skin mast cells produce TNF-α by substance P" Int Arch Allergy Immunol. 117. 48-51 (1998)