1997 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患における蛋白チロシンキナーゼ遺伝子多型性の関与
Project/Area Number |
09670472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 寛 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60107620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 善一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70238814)
木谷 誠一 東京大学, 保健センター, 助手 (10231284)
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Keywords | Syk / Lyn |
Research Abstract |
報告書 研究課題:アレルギー疾患における蛋白チロシンキナーゼ遺伝子多型性の関与 目的 気管支喘息をはじめとするアレルギー性疾患の病態には肥満細胞・好塩基球のアレルゲンによる活性化が重要な役割を果たしている。肥満細胞・好塩基球においてアレルゲンを介するFcεRI受容体から下流への情報伝達には、Syk、Lynに代表される蛋白チロシンキナーゼやアダプター蛋白が重要な機能を果たしている。今回Sykキナーゼについて、気管支喘息患者における遺伝的多型性を検討し、若干の知見を得た。 方法 デキストラン・グルコース法によりヒト白血球よりTotal RNAを分離し、RT-PCR法でSykのキナーゼ領域を増巾し、そのPCRproductをSSCP法でスクリーニングし、さらに、Dye Terminate法Cycle Sequencingによって変異の箇所を同定した。 結果 FcεRIのγ鎖と結合し、PLC-γ1を活性化する蛋白チロシンキナーゼであるSykの酵素活性部分に、これまでに5箇所のnucleotide transitionを検出し、そのうちの4箇所は同一染色体上に存在していることを確認した。この領域に着目した場合、遺伝子型は3種類に分類できた。4箇所に変異の検出される染色体グループのうちわけは正常コントロール群での11%(3/28)に比べ喘息患者群では36%(22/61)で約3倍の頻度であった。 今後の課題としてこれらの変異と血清IgE値、気道過敏性などの臨床的パラメーターとの相関を解析する予定である。
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