1998 Fiscal Year Annual Research Report
変異型可溶性接着分子(VCAM-1)を用いた自己免疫アネルギー誘導機序の解析
Project/Area Number |
09670483
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松山 隆美 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30145479)
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Keywords | 可溶性VCAM-1 / 遊走能 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
今年度は可溶性VCAM-1(以下sVCAM-1)を用いて以下の検討をおこなった。 1) IL-2依存性,慢性関節リウマチ滑膜T細胞,Jurkat細胞への遊走能に関する検討。sVCAM-1はいずれの細胞に対してもケモタキシスチェンバー法にて有意の遊走能を示した。sVCAM-1による遊走はRho inhibitorであるH7,Protein kinase CのinhibitorであるH7,Calrnodulin dependent kinase IIのinhibitorであるKN62によって抑制され、Tyrosine kinaseのinhibitorであるgenisteinの抑制効果は軽度であったことより、sVCAM-1の遊走能はRho, Protein kinase C, Calmodulin dependent kinase IIの活性化を介したものであることが示された。 2) sVCAM-1のMAPキナーゼファミリー活性への作用。Jurkat細胞ではCD3抗体にてERKl/2の活性化が、CD3抗体とCD28抗体とのco-stimulationにて、JNK,P38MAP Kの活性化が示されている。sVCAM-1は上記の刺激を抑制することを示しているので、これらのキナーゼのリン酸化部分に対する抗体を用いてMAPキナーゼファミリー活性への抑制作用を検討した。結果は、cyclosporine Aと同様、sVCAM-1によるJNK,P38MAPキナーゼ活性の抑制が明らかになった。昨年度、sVCAM-1のIL-2転写系の作用に関して、AP-1,NF-AT,Oct-1の結合活性の抑制,NF-kβ活性には影響しないことを示したので、今後、MAPキナーゼ系への作用と、これらの転写活性抑制の作用との関連について検討していきたい。
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