1999 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス抑制遺伝子BCL-2/BAG-1を介する癌転移の制御
Project/Area Number |
09670484
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Research Institution | Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
安達 正晃 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70240926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60117603)
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Keywords | アノイキス / 転移 / BAD / 細胞運動能 / BAG-1 / アポトーシス |
Research Abstract |
アポトーシス抑制遺伝子を使用した,新しい癌転移抑制療法を確立することを目的として,BAG-1・BADを中心とした多角的な解析から、転移を抑制させるために以下の諸点を明らかにしてきた。 1.胃癌細胞において,遺伝子導入によりBAG-1を過剰発現させると,BAG-1は細胞質に均一に存在し,ケラチンやアクチンと会合していること.しかし正常上皮細胞では,主にゴルジ野にBAG-1が蓄積していることを見出した. 2.下咽頭癌において,BAG-1が高発現していること.また,BAG-1の細胞内局在が核にある癌細胞は,増殖能が高く,このような癌を持つ患者は,放射線照射後の再発率が高いことを見出した. 3.アノイキス時,アポトーシス誘導分子BADは,脱リン酸化されることによって,活性化されていること,またこれによりアノイキスの誘導と関連していることを発見した. 4.BADの過剰発現によってアノイキスが促進されることを見出した. 本研究の結果から,BAG-1の細胞内局在の把握によって,放射線照射後の再発の予測判断が可能になると期待できること,また,アノイキスに関わる因子として,BADの発現量及びリン酸化レベルの変化は重要と思われた。現在,BAG-1の作用を抑制させるため,dominant negativeに作用するベクターを作成中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Okuda,H.: "Protein kinase Ca promotes apoptotic cell death in gastric cancer cells depending upon loss of anchorage."Oncogene. 18. 5604-5609 (1999)
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[Publications] Naishiro,Y.: "BAG-1 accelerates cell motility of human gastric cancer cells."Oncogene. 18. 3244-3251 (1999)
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[Publications] Miyachi,T.: "Butyrate augments interferon-a-induced S phase accumulation and persistent tyrosine phosphorylation of cdc2 in K562 cells."Br.J.Cancer. 79. 1018-1024 (1999)
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[Publications] Oh-hara,M.: "Direct suppression of TCR-mediated activation of extracellular signal-regulated kinase by LC-PTP,a tyrosine-specific phosphatase."J.Immunol.. 163. 1282-1288 (1999)