1997 Fiscal Year Annual Research Report
急性膵炎重症化における中枢性神経ペプチドの作用に関する研究
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09670503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
米田 政志 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30261407)
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Keywords | 急性膵炎 / 神経ペプチド / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
急性膵炎における、脳内のthyrotropin-releasing hormone(TRH)の影響を検討した。Wistar系雄性ラットを用い実験前夜より絶食とし、定位脳手術装置に固定の上、TRHの安定型アナログであるRX77368(5,10,30,50,100ng)か生理食塩水(10μl)をハミルトンマイクロシリンジを用いてラットの脳槽内に注入した。セルレイン(Sigma Chemical,40mg/kg)を腹腔内に投与し、5時間後に採血の後に屠殺、膵組織すべてを取り出した。 1)セルレイン誘発膵炎における水分含有率、湿重量/乾重量比に及ぼす中枢性TRHの効果:コントロール溶液を脳槽内に投与したラットにおいては、セルレインの腹腔内投与により膵組織は浮腫状になり水分含有率が86.2±4.7%と高値となったが、コントロール溶液の代わりにTRHの安定型アナログであるRX77368を脳槽内に投与すると5〜50ngの範囲で用量依存性にセルレイン投与後の膵組織の水分含有率を低下させた。 2)セルレイン誘発膵炎におけるヘマトクリット・血清アミラーゼ値に及ぼす中枢性TRHの効果:セルレイン投与前のヘマトクリット値はコントロール溶液投与ラットにおいて47.9±0.4%であり、TRHアナログ投与群と有意差を認めなかった。セルレインの投与によりコントロールラットではヘマトクリット値が上昇し52.3±0.8%となったが、RX77368 30ngを脳槽内に投与したラットにおいては、ヘマトクリット値の上昇が有意に抑制された。血清アミラーゼ血の上昇も同様にTRHの脳槽内投与によって抑制された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masashi Yoneda: "Neuropeptide Y in the dorsal vagal complex stimulates bicarbonate-dependent bile secretion in rats." Gastroenterology. 112. 1673-1680 (1997)
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[Publications] Masashi Yoneda: "Central thyrotropin-releasing hormone stimulates hepatic DNA synthesis in rats." Hepatology. 26. 1203-1208 (1997)