1998 Fiscal Year Annual Research Report
^<31>p核磁気共鳴スペクトルによる癌に対する光力学的治療の評価
Project/Area Number |
09670534
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
河崎 恒久 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80214625)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良正 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (50252185)
藤瀬 裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60004355)
|
Keywords | 光力学的治療(PDT) / 光感受性物質 / δ-アミノレブリン酸 / light induced fluorescence detection system / 化学発癌 / 肝細胞癌 / 腫瘍選択性 |
Research Abstract |
光力学的治療(PDT)では正常部分への影響を少なくするため、癌部、非癌部における光感受性物質の分布の差が大きいことが望まれる。どのような種類の光感受性物質がより肝臓癌の治療に適しているかを評価する目的で、化学発癌肝癌モデルを用いて、光感受性物質の正常部分と腫瘍部分の分布の差について検討した。 ラットにジエチルニトロソアミン100ppm水溶液を11週間自由に飲水させ、その後2,3週間水道水で飼育し、化学発癌肝癌モデルを作成した。この時期のラット肝臓では組織学的に変異肝細胞巣や過形成性結節などの境界病変から、高分化型から低分化型にわたる肝細胞癌まで、様々な段階の病変がみられ、人の肝細胞癌に近い進展像および組織像が得られた。この時期のラットに、代謝が速く毒性の少ない光感受性物質前駆体であり、なおかつ樹立肝細胞株を用いた実験において正常肝細胞より肝癌細胞に高く集積したとの報告のあるδ-アミノレブリン酸(ALA)500mg/kgを投与し、一定時間後(1,2,3,4,6,8,時間後)に開腹、light induced fluorescence detection system(浜松ホトニクス社製PMA-10)を用いて癌部、非癌部における蛍光強度の測定を行った。測定後屠殺し、蛍光測定部位の病理標本および蛍光光度計測定のための資料を作成した。 その結果、蛍光強度は肉眼的な病変の検討では時間経過において、非癌部より癌部に高い傾向が認められた。すなわち、肝細胞癌においても光感受性物質の分布の腫瘍選択性が認められ、治療に応用できる可能性が示唆された。
|