1998 Fiscal Year Annual Research Report
Helicobacter Pyroli感染と胃局所免疫応答に関する研究
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09670535
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有沢 富康 名古屋大学, 医学部, 助手 (50273230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 康正 名古屋大学, 医学部, 助手 (20283442)
後藤 秀実 名古屋大学, 医学部, 助手 (10215501)
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Keywords | Helicobacter Pylori / Tumor Necrosis Factor / soluble TNF Receptor / Apoptosis |
Research Abstract |
我々はすでに胃液中の含有物質を解析することで、Helicobacter pylori(HP)感染胃粘膜において腸上皮化生の進展とともに胃のHP排除機構としての局所免疫応答に変化が起こり、本来は胃液中に分泌されないIgAが分泌されることを報告した。その過程において、胃液中に可溶性Tumor NecrosisFactor(TNF)受容体の放出も増加することを見いだした。HP感染胃粘膜では炎症性cytokineであるTNFが病態形成に重要であることが知られ、一方敗血症などにおいては可溶性TNF受容体がその病態を修飾することが知られている。そこで、HP感染下における可溶性TNF受容体の意義につき検討した。 まず、胃液中のTNF含量と可溶性受容体含量、胃粘膜組織像の関係では、I型、II型受容体ともTNF含量に有意に相関したが、両受容体間での含量の相関は認めなかった。また、sydney systemに準じた胃粘膜組織像との関係ではTNF含量は単核球浸潤のみに相関し、可溶性受容体含量は組織像との相関を認めなかった。すなわち、TNFは単核球を主とした炎症細胞より放出され、可溶性受容体の産生はそれとは異なるが、TNFに反応して放出されている可能性が示唆された。 そこで、胃癌培養細胞MKN45及びKAT0IIIを使用し、さらなる検討を行った。MKN45、KATOIIIにTNFを作用させると、用量依存性にI型、II型可溶性受容体の放出が確認された。TNFにより両細胞のviabilityの低下はわずかであったが、可溶性TNF受容体の中和抗体を同時に作用させることでviabilityの有意な低下が観察された。また、apoptosisを示すDNA ladderは、TNF単独ではほとんど認められなかったが、中和抗体の同時投与によりapoptosisの亢進が確認された。Westernblottingでは細胞表面のI型、II型膜型受容体の発現は減少し、RT-PCRでは両膜型受容体mRNAレベルのわずかな亢進が観察された。 以上の結果より、炎症細胞より放出されたTNFに対し、上皮細胞は膜型受容体を切断し、可溶化することでシグナルのdown regulation、さらには可溶性受容体によるTNFのblockといった2段階の調節機構が存在することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takehito Watanabe: "Relationship between local immune responx to Helicobater pylori and the diversity of disaase : Investigation of H.pylori-specific IgA ingastric juice." J.Gastroenterol.Hepatol.12. 660-665 (1997)
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[Publications] Junko Shibata: "Regulation of Tumor Necrosis Factor (TNF) induced apoptosis by soluble TNF receptoos in Helicobacter pylori infection." Gut.in press.