B型肝炎ウイルスX遺伝子の肝癌発生機序に関する研究

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09670539
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Mie University
• Principal Investigator: 高瀬 幸次郎 三重大学, 医学部, 助教授 (00163204)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 清水 敦哉 三重大学, 医学部, 助手 (10283524) ; 伊藤 正明 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (00223181)
• Keywords: HBx / Ywo hybrid / アポトーシス

Research Abstract

(l)HBVキャリアーからの肝癌発症患者の血清より、PCR法を用いてX遺伝子を増幅し、その塩基配列を決定した(5例)。コントロールとして、 HBV無症候性キャリアーのX遺伝子も平行して解析したが、肝癌発症患者と比較して特異的塩基配列の差は認めなかった。
(2)肺癌発症患者より得られたX遺伝子をpAS2-1ベクターに組み込み、HBx標的タンパク質の遺伝子をヒト肝細胞cDNAライフラリー(CLONTEC社)よリ、イ-ストを用いた2ハイブリド法を用いてクローニングした。現在まで計12回のスクリーニングを施行し数個の陽性クローンを得、これらのクローンに関しさらに検討を進めている。
(3)HBxに対する特異抗体が必要なため、HBx特異的ペプチドを合成し、ウサギに免疫した。その血清より抗HBx特異的抗体をアフィニティー精製し、リコンビナントHBx蛋白を用いウエスタンブロッティングによリHBx特異抗体であることを確認した。
(4)肝細胞由来培養細胞にHBxをトランスフェクションし、HBxの制癌剤誘発アポトーシスに及ぼす影響を検討中である。