1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しいRNA結合蛋白による分子レベルでの肝星細胞活性化機構の解明
Project/Area Number |
09670570
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
松井 淳 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40260484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 逸郎 東京大学, 医学部, 助手 (80169169)
稲生 実枝 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286037)
持田 智 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20219968)
藤原 研司 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80101088)
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Keywords | 肝星細胞 / RNA結合蛋白 / PCPE |
Research Abstract |
本研究は,我々がクローニングしたRNA結合蛋白,PCPE蛋白の意義を各種増殖因子との関連も含めて明らかにすることから,肝星細胞活性化機構を分子レベルで解明することを目的としている。我々は既に,アンチセンスを用いてPCPE蛋白発現を抑制すると,肝星細胞での蛋白合成が著明に減少することを見出している。そこで本年度は,PCPE蛋白の肝星細胞蛋白合成における役割の詳細を明らかにする目的で以下の検討を行った。 1. コンフルエント状態の肝星細胞に,PCPE mRNAに対するアンチセンスまたはナンセンスを添加,経時的に生細胞数,総RNA量,α1タイプIプロコラーゲン及びβアクチンmRNA発現量を測定したところ,いずれも不変であった。 2. アンチセンス添加12時間後に,アクチノマイシンDを添加し,RNA転写を完全に抑制した状態における各種RNA量の推移も検討したところ,アンチセンス添加群における総RNA量の半減期はナンセンス添加群に比して有意に短縮していた。また,α1タイプIプロコラーゲン及びβアクチンmRNA発現も有意に減少していた。 以上より,PCPE蛋白は肝星細胞において,RNAを安定化することにより,蛋白合成に促進的に作用すると推定された。肝星細胞が活性化する際には,RNA含量や蛋白合成が大幅に増加する。その際,PCPE蛋白の発現も増強することから,星細胞活性化に本蛋白が関与すると考えられた。
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