1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670576
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Research Institution | The JIKEI University School of Medicine |
Principal Investigator |
銭谷 幹男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70138767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256403)
渡辺 文時 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90231711)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 原発性胆汁性肝硬変 / 慢性C型肝炎 / Th1 / Th2バランス |
Research Abstract |
自己免疫性肝疾患の発症、進展に関与するサイトカイン動態と臨床的病態の関連を解明することが本研究の目的である。なお、当科入院中に診断、治療方針決定のために施行した肝生検時に採取した生検肝組織の一部および同時期に採取した末梢血より分離した単核球を研究材料に用いた。この際、肝生検施行前に患者さんに研究の目的、採取した組織の一部および単核球を研究材料に用いることを説明し、患者さん本人から承諾を得た上で実施した。 1. 各種肝疾患における末梢血CD4リンパ球内のThl.Th2サイトカインの同定自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、慢性C型肝炎(CHC)の末梢血リンパ球を分離、FACSを用いた細胞内サイトカイン同定法によりIFN-γ、IL-4陽性CD4陽性細胞発現率を検討した。その結果、AIH、PBCでは発症期、増悪期にはThl優位に、寛解期にはTh2優位になることが示された。CHCではALT値が安定しているヘルシーキャリアー、IFN有効例でThl優位になることが示された。 2. 各種肝疾患における血中Th1、Th2サイトカインの測定 全血培養法を用いてAIH、PBC、CHCの血中Thl、Th2サイトカイン比を検討したが、細胞内サイトカイン同定法で得られたのと同様の結果が得られた。 3. 各種肝疾患における肝内Thl、Th2サイトカインの測定 AIH、PBC、CHCの肝組織よりRNAを分離、IFN-γ、IL-4のmRNA発現量を定量した。その結果、細胞内サイトカイン同定、全血培養で得られたのと同様の結果が得られ、末梢血と肝内のサイトカイン動態はほぼ同様であることが明らかになった。
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