1999 Fiscal Year Annual Research Report
補助分子トランスジェニックマウスを用いた自己免疫性肝炎モデルの確立と発症機序
Project/Area Number |
09670577
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Research Institution | The JIKEI University School of Medicine |
Principal Investigator |
相澤 良夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90147273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 弘幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60287282)
高橋 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256403)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 再燃 / ステロイド / Th1サイトカイン / Th2サイトカイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、自己免疫性肝炎の肝細胞障害に関連する免疫動態を明らかにするすることである。本年度は、ステロイド治療を施行した自己免疫性肝炎症例のサイトカイン動態の変動を解析し、以下の結果を得た。なお、サイトカイン動態の評価には全血培養法を用いた。本方法は、リンパ球のみならずマクロファージやNK細胞等も含めたあらゆる種類の細胞のサイトカイン産生動態を、総合的に評価できる方法である。また、患者さんから末梢血を採取する際に、血液の一部を本研究に用いることをあらかじめ説明し、同意を得た後に血液採取し検討に供した。 1.急性発症の自己免疫性肝炎症例、寛解導入中に再燃した自己免疫性肝炎症例いずれにおいても、治療前にはIFN-γ、IL-1β、TNF-αが高値を示し、ステロイド治療によりALT値が改善するのと平行して低下した。 2.同症例で、IL-12、IL-18はともにIFN-γ、IL-1β、TNF-αと同様、活動期に高値を示し、ステロイド治療によりALT値が改善するのと平行して低下した。 3.同症例で、IL-10は逆にステロイド治療により病態改善に平行して漸増傾向を示した。 以上より、自己免疫性肝炎の急性期、再燃時にはTh1サイトカイン優位のサイトカイン動態がみられ、ステロイド治療によりサイトカイン動態のTh1からTh2へのシフトが認められることにより、病態改善が得られる可能性が示された。
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