1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝由来細胞の3次元培養法による肝特異蛋白産生機構の解析と大量蛋白生産法の開発-ラジアルフロー型バイオリアクター(RAD)による-
Project/Area Number |
09670578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
蓮村 哲 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30189518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 稔 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20198419)
高木 一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10197056)
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Keywords | アルブミン / AFP / ラジアルフロー型バイオリアクター / 3次元培養 / 肝臓 |
Research Abstract |
肝臓は血漿蛋白の産生臓器として重要な機能を有している。特にアルブミンは血漿蛋白の50%を占める重要な蛋白である。従来よりヒト由来の肝癌細胞株を用いて、ビタミンやホルモンによるアルブミンやAFPの産生のの変化について検討してきた。さらにこの細胞をラジアルフロー型バイオリアクターを用いて3次元培養した際の、両蛋白の産生量の変化を検討した。ラジアルフロー型バイオリアクターによる培養細胞の3次元構築は、SEM TEMで確認し、球形の細胞の配列と、相互の細胞の緩やかな接着(接着装置の存在を認める)、細胞小器官の極性の存在を認めた。FLC4細胞の3次元培養では単位細胞あたりのアルブミン産生量は単層培養の6.9倍に増加し、AFPは400分の1に減少した。またFLC7細胞では3次元培養により、AFP産生が優位であったものがアルブミン産生優位となり、より正常肝細胞に類似の機能を発現すると考えられた。以上より、これら肝細胞の機能発現には、ホルモン、ビタミン、その他の生理活性物質だけでなく、細胞組織の3次元的構築が大きく関与することが明らかとなった。今後これらの変化のメカニズムを明らかにしていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 川田雅昭、蓮村 哲、他: "肝臓の代謝機能検定利用-Invivoに代わって-" 組織培養工学. 23. 307-309 (1997)
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[Publications] 川田雅昭、蓮村 哲、他: "ラジアルフロー型バイオリアクターシステムによる人工肝補助装置" 肝臓病の最前線1997(中外医学社). 314-318 (1997)
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[Publications] 蓮村 哲、他: "ヒト由来肝癌細胞を用いたラジアルフロー型バイオリアクターによるアルブミン大量産生" 人工血液. 5. 33-37 (1997)