1997 Fiscal Year Annual Research Report
膵機能調節における新しいメカニズムの発見とその遺伝子発現の発生学的調節機構の解明
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09670582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 京子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90187451)
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Keywords | ランゲルハンス島 / コレシストキニン / 免疫組織化学染色 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
成熟ラットの膵臓を固定後、パラフィン包理し、CCK-8およびガストリン、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、PPに対する特異抗体を用いて免疫組織化学染色により免疫活性の局在を検討した。CCK-8免疫活性は膵ランゲルハンス島(ラ島)の細胞質内に顆粒状に認められ、ラ島以外の膵組織には認められなかった。CCK-8陽性細胞はラ島にびまん性に存在し、その局在はB細胞に一致したが、A細胞、D細胞、PP細胞には認められなかった。また、ガストリン陽性細胞は成熟ラットのラ島には認められなかった。ガストリンを用いた吸収試験ではCCK様免疫活性は吸収されず、CCK様免疫活性はガストリンとの交叉反応でないことを確認した。以上より、CCK-8陽性細胞はラ島のB細胞に一致して存在することが確認された。つぎに、ラットの膵よりtotal RNAを抽出し、CCKに特異的なプライマーを用いてRT-PCRを行った。アガロースゲル電気泳動で膵および十二指腸に約350bpの同一の単一バンド認め、この得られたcDNAに対するrestriction digestionおよびSouthern blot analysisによりCCKであることを確認した。また、膵管内にcollagenaseを注入しFicoll gradient法にて単離したラ島を固定し、ジゴキシゲニンで標識したCCKcDNAプローブを用いてin situ hybridizationを行った。ラ島の細胞質内に顆粒状のmRNAの発現が認められ、その局財は免疫組織化学染色による結果と一致していた。このCCKmRNAの発現はRNase処理により完全に消失した。インスリンmRNAはラ島の中心部に認められ、ガストリンのmRNAの発現は認められなかった。以上よりCCKの遺伝子発現がラ島のB細胞に一致して存在することが確認された。今後、CCK発現の発生学的変化と生理学的機能について検討する予定である。
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