1997 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスによる細胞のインターフェロン耐性の機構解析-IFNで誘導される日本鎖RNA活性化プロテインキナーゼの活性調節-
Project/Area Number |
09670585
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
伊達 孝保 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50019676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 理 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60288272)
堤 幹宏 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (00155425)
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Keywords | インターフェロン / C型肝炎ウイルス(HCV) / 二本鎖RNA依存性プロテインキナーゼ(PKR) / two hybrid system / NS5A / ISDR / GST融合タンパク質 |
Research Abstract |
インターフェロン(IFN)に対する感受性(ISDR)を決めるといわれるC型肝炎ウイルス(HCV)の非構造タンパク質NS5Aに結合するタンパク質として日本鎖RNA依存性プロテインキナーゼ(PKR)を見つけ,これまでに次のような知見を得た. 1.IFN治療してもウイルスタイタ-が下がらないIFN超抵抗性HCV株二種を得て,全領域をカバーするcDNAをlong RT-PCRで得た.NS5AのISDRのアミノ酸配列を調べたところ,一つは典型的な抵抗性型,もう一つは1アミノ酸の変異が見られた. 2.酵母two hybrid systemでNS5AとPKRの相互作用の有無を調べたところ,NS5A内に数カ所転写活性化領域があるために,NS5AがPKR結合するという決定的証拠を得ることができなかった. 3.NS5AのPKRに対する結合,およびそれによる酵素活性の影響を調べるために,組換え型GST-PKRを作成した.この組換え体は二本鎖RNA非存在下でも自己リン酸化活性を示したので,PKR自己リン酸化活性に対するNS5Aの阻害効果を調べところ,阻害効果は観察されなかった. 4.またNS5A全長の組換え体を,GST融合タンパク質として,あるいはHis-tagを付加して発現し精製行ったところ,構造変化と半不溶性のために困難であったが,界面活性剤を用い,精製することができた. 5.NS5Aは中央部に塩基性アミノ酸を多く含むことから,RNA結合活性を持っている可能性がある.そこでActivity gel法でcore,NS3,NS5Bをコントロールに精製NS5AのRNA結合を調べたところ,NS5AはRNA結合活性を全く示さなかった. 現在引き続きin vivo,in vitroの研究を続けている.
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