1998 Fiscal Year Annual Research Report
Helicobacter pylori感染における菌体-宿主相互作用の解析
Project/Area Number |
09670589
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Research Institution | Fukui Prefectural University College of Nursing |
Principal Investigator |
加藤 卓次 福井県立大学看護短期大学部, 教授 (70145902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 健 福井医科大学医学部, 附属病院, 講師 (60221040)
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Keywords | H.pylori / vacA / 細胞空胞化毒素 |
Research Abstract |
Helicobacter pylori(H.pylori)はダラム陰性桿菌で、人の胃内での感染が1983年に報告されてから、H.pyloi感染は慢性萎縮性胃炎、胃癌、胃・十二指腸潰瘍など多様な疾患に関与していることが認められてきた。このH.pylori感染における疾患の多様性の要因として、H.pylori菌における多様性と宿主側の反応の多様性とが考えられている。本研究では、H.Pyloriの病原因子と考えられているH.pylori細胞空胞化毒素遺伝子(vacA)の遺伝子解析を行った。vacAは毒素活性を持たない株と持つ株とで塩基配列の違いが報告され、シグナルペプチド領域でs1とs2の2つのゲノタイプが、中間領域においてm1とm1の2つのゲノタイプが報告され、s1/m1タイプに細胞空胞化毒素活性の強い株が多く、消化性潰瘍歴を有するヒトが多いと欧米では報告されている。しかし、日本ではほとんどの株がs1/m1タイプであり、s1/m1タイプと消化性潰瘍との関連性は認められなかった。我々は毒素活性の有る16株と無い22株を用い塩基配列を決定した。細胞空胞化毒素活性の無い11株において、シグナルペプチド領域や中間領域のゲノタイプとは異なった領域で、non-sense mutationが認められた。また、毒素活性を有する4株のvacA遺伝子の下流にrfaJ(lipopolysaccharide 1,2 glucosyltransferase)遺伝子が認められた。これは、報告されたH.pylori全ゲノム解析の位置とは異なっており、日本の株において遺伝子構造が異なると考えられた。
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Research Products
(1 results)