1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
進藤 千代彦 東北大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10216228)
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Keywords | 横隔膜筋 / 張力周波数曲線 / 筋線維染色 |
Research Abstract |
平成9年度研究実績 1.実験装置の作成について…本研究の実験装置は今回設備品に申請しているサーマル式ペンオシログラフの購入とともに、organ bathを作成し、測定系を完成させた。この装置をもちいて、本研究の課題である低酸素ガス吸入による横隔膜筋への影響に関する実験を実施した。 2.横隔膜筋収縮特性の変化について…約10%の低濃度酸素ガスをラットの飼育チャンバーに持続的に流入させて吸入を行い、3日、1、2、3週間負荷後に、横隔膜筋を摘出し、筋小片を作製し張力-周波数曲線、単一刺激による単収縮のピークまでの収縮時間、ピークから1/2まで減少するまでの半弛緩時間、20Hzの刺激周波数で60回/分の繰り返し刺激を行う疲労度をもって評価した。低酸素ガス吸入1、2週後に張力-周波数曲線が最も低下し、同時期に収縮時間、半弛緩時間は最も延長し(収縮のslow化)、繰り返し刺激に対して疲労抵抗性に変化した。この一過性変化の後、3週後にはいずれもコントロール値(無負荷)に戻る様な傾向を示し、低酸素状態での適応反応と思われる反応が見られた。 3.横隔膜筋線維の変化について…各負荷群の横隔膜筋の横断面における筋線維の変化はATPase染色にて評価した。負荷3日後に単位面積あたりの遅筋(typeI)線維の速筋(typeII)に対する比率が最も多くなり、遅筋線維優先に変化したが、次第にこの比率はコントロール値に復帰した。 4.以上の2、3に見られた結果は、収縮特性と組織所見がよく合致していると考えられ、低酸素負荷により早期に筋線維比率の変化が惹起され、一過性の筋収縮のslow化と適応反応が起こっていることが明らかとなった。
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[Publications] 進藤千代彦: "呼吸筋疲労とは(肺機能検査法と評価)" 呼吸. 16(1). 39-44 (1997)
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[Publications] 進藤千代彦: "呼吸補助システムの効率と効果" アレルギーの領域. 4(8). 46-51 (1997)
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[Publications] C.Shindoh, et al.: "Effects of L-NAME and L-arginine on diaphragm contraction in a septic animal model." Comp.Biochem.Physiol.119A. 219-224 (1998)