1997 Fiscal Year Annual Research Report
間質性肺炎の発症と進展におけるエンドセリン(ET)の病態生理学的役割〜ET単一遺伝子導入による肺線維症
Project/Area Number |
09670598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
加藤 修一 山形大学, 医学部, 助手 (90260463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 秀範 山形大学, 医学部, 講師 (30240675)
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Keywords | 肺線維症 / エンドセリン / 受容体アンタゴニスト / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
【目的】線維化肺の発症と進展機序におけるエンドセリン(ET)の関与を明らかにするため、ET遺伝子を肺内に導入し肺線維症動物モデルを作成し、肺線維症におけるET受容体アンタゴニストの治療的意義について検討する。 【方法】生体肺内へET遺伝子を導入する手段としてET発現ベクターをCationic lipid componentと混合し、ラット麻酔下、経皮的に肺内へ直接注入した。ET遺伝子導入群(ET群)、ET遺伝子+ET受容体アンタゴニスト投与群(ET+Ant群)の2群に分け、導入1週間後に肺線維化の評価をした。ET受容体アンタゴニストは持続的経腹膜的に1週間投与した。 【結果】ET群ではBALF中、炎症性細胞数の増加を認めたが、ET+Ant群は軽度上昇にとどまった。肺組織標本の検討ではET群は遺伝子導入部位に一致して著明な肺胞隔壁の肥厚を認めたが、ET+Ant群は線維化は軽度であった。形態計測の結果も同様であった。抗ET抗体を用いた免疫組織学的検討では、線維化巣に一致して強い発現が観察された。 【結論】線維化肺の発症と進展にエンドセリンの関与は明らかであり、またその受容体アンタゴニストは肺線維化の抑制的意義があることを示した。
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