1998 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞マクロファージを遺伝子担体とした肺疾患の遺伝子治療の可能性の検討
Project/Area Number |
09670601
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Research Institution | Chiba University School of Medicine |
Principal Investigator |
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 裕一 千葉大学, 医学部, 助手 (30272321)
木村 弘 千葉大学, 医学部, 助教授 (20195374)
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Keywords | 肺胞マクロファージ / ベクター / 遺伝子導入 / 遺伝子治療 / 繊維芽細胞 |
Research Abstract |
【昨年までの到着点】 昨年度までの研究で遺伝子治療を目的とした場合、ヒト肺胞マクロファージはin vitroでの遺伝子導入効率が十分でない可能性が示された。 【本年度の研究】 本年度は臨床応用を考慮し、繊維芽細胞を用いた肺疾患の遺伝子治療の可能性の検討した。繊維芽細胞に関しては、すでに他疾患領域においてヒトから採取して遺伝子導入を行った後、ヒトに戻す遺伝子治療が臨床治験の段階に到達している。本研究では基礎的検討を目的とするためBalb/cマウス胎児細胞から得られたA31繊維芽細胞株を用いた。A31細胞株にリン酸カルシウム共沈殿法を用いてバクテリア由来β-ガラクトシダーゼ遺伝子(以下β-gal)を導入してAl36細胞株を確立した。Al36細胞を6週齢のBalb/cマウスに経気管支的ないしは経静脈的に投与して一定期間観察後に(1)肺、心、肝、腎、脾、脳を摘出、蛋白を抽出してβ-ga1発現をELISA法を用いて観察する。(2)各臓器を摘出してHE染色及び導入遺伝子が標識されるβ-gal染色を施行する。(3)一定期間観察後に、各臓器よりRNAを抽出してRT-PCR法でRNAの発現を観察する。 【研究結果】 ELISA法を用いた検討によって、経気管支的投与・経静脈的投与のいずれにおいても肺において導入細胞内の遺伝子の高い発現が確認された。経時的な検討において経気管支的投与を行った場合は約2週間で発現が消失し、経静脈的投与を行った場合は少なくとも3週間後まで比較的高い発現が見られることが判明した。HE染色では肺の炎症を初めとする病理学的な変化は認められなかった。RT-PCR法でいずれの投与法においても肝、脾、脳、腎への発現が見られず本法の安全性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takiguchi,Y.: "Genomic structure and chromosomal assignment of the mouse Ku 70 gene" Genomics. 35. 129-135 (1996)
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[Publications] Takiguchi,Y.: "Evaluation of metastatic ability at specific times during primary tumor grouwth;a nonel,spontaneous metastasis assay" Clinical and Experimental Metastasis. 13. 184-190 (1995)
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[Publications] Kamei,K. Kuriyama,T: "Suppression of candidacidal activity of human pulmonary alveolar macropha with serum of cancer patients" J.Exp.Clin.Cancer Res.11. 133-138 (1992)
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[Publications] Takiguchi,Y.: "Genomic structure of the mouse apurinic/apyrimidinic endonuclease gene" mammalian genome. 5. 717-722 (1994)