1997 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞上皮細胞による蛋白分解酵素・蛋白分解酵素阻害物質産生の制御および喫煙の影響に関する検討
Project/Area Number |
09670610
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 浩一 京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (80243096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三尾 直士 京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (90243097)
長井 苑子 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (30217955)
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / 喫煙 / Apoptosis / OxidunA / 蛋白分解酵素 / 蛋白分解酵素阻害物質 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は喫煙刺激の肺胞上皮細胞に対する影響を蛋白分解酵素・蛋白分解酵素阻害物質産生を主なる指標として検討することである。まず最初に喫煙刺激をして用いるタバコ煙を液体培地に溶かしたCigarette smoke extract (CSE)をCarpとJanoffの方法を改変して、より一定の条件となるように調整法を検討した。次に喫煙刺激の培養肺胞上皮細胞の生存率に与える影響を検討した。培養肺胞上皮様細胞(A549)の倍地中にCSEを加え24時間後に細胞の生細胞数を測定した。CSEの添加により濃度依存的に細胞の生存率が低下した。20%、10%のCSEではほぼ100%の細胞が死に、90%以上がnecrosisによる細胞死であった。5%のCSEでは約50%の細胞が死に、95%以上がapoptosisによる細胞死であった。以上からCSEは高濃度ではnecrosisにより、それより低い濃度ではapoptosisによる肺胞上皮細胞の死を引き起こすことが示唆された。次にCSEを窒素によるbubbling,大気中で放置するなどの処置を行うとapoptosis誘起能は減少し、細胞死を起こす物質は主として揮発性物質であることが示された。CSEをAldehyde dehydrogenaseで処理すると部分的に効果が減弱し、CSE中のaldehydeが細胞死に影響していることが示された。またSuperoxide dismutase,N-acetylcysteineの添加は細胞死を抑制し、CSEによる細胞死にはoxidantが関与する可能性が示唆された。現在肺胞上皮細胞由来の蛋白分解酵素・蛋白分解酵素阻害物質産生とCSEがこれに及ぼす影響をを検討中である。 この結果は98年日本呼吸器病学会総会で発表予定であり、論文として公表を準備である。
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