1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670619
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
和佐野 公二郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90117292)
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Keywords | galectin / mammalian lectin / rat / epithelial cell / recombinant / cytochemistry |
Research Abstract |
現在までに、ほ乳類組織内にガラクトースを認識結合するレクチン様蛋白が最低10種存在することが判明している。その糖結合部位のアミノ酸配列の相同性から1つのprotein familyをなすと考えられ、最近galectinsと名ずけられた。このgalectinsのうち、galectin-4,6,8,9は1つの分子内に2ケの糖結合ドメインを持つユニークなレクチンでり、本研究はこれら蛋白群の機能解明に的を絞った。研究初年度にgalectin-8の組み替え蛋白を作成しポリクロ抗体を作成したところ、得られた抗体はgalectin-3とも交叉することが判明した。多分、両者のシークエンスに極めて類似した所があるためと考えられる。このため、研究方法を一部転換し、galectin-8がいかなる相補的な物質を認識するのか?との疑問に答える方法として、galectin分子にextra epitope sequence(以下EESと略す)を遺伝子工学を用いて繋ぎ、このEESに対する特異抗体により、間接的にgalectinの組織・細胞内での付着部位を形態的に検索する事とした。以前に、そのN,Cドメインをクローニングしていたgalectin-4をそのモデルとして、そのcDNAをglutathione S transferase(GST)fusion vectorのMCS siteに差し込み、galectin-4蛋自分子の上流にEESとしてのGSTが繋がったGST-galectin-4 fusion proteinを作成した。このfusion proteinで組織を染色し、ついで抗GST抗体(ヤギ)、ついで蛍光ラベルした抗ヤギIgG(ウサギ)の3段階法で間接的に組織内でのgalectin-4の結合部位が検索したところ、上皮の特異的な構造が強染し、fusion proteinをomitするか拮抗糖で吸収すると染色が消失することから、galectin-GST fusion proteinの使用はgalectinの機能解明に極めて有用であることが判明した。この方法論はすでに権威ある外国誌に発表した。
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